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「……あれ」
次の日。
大学から帰ってきて、家に着いたとき。
Aの家の前で一人の男の子が立っているのが見えた。制服を着ているからたぶん学生だと思う。
……誰だろう。
今までAが男の子を連れているところなんて見たことがなかった。だからか、余計に不思議に感じて。
しばらくすると、玄関のドアが開いてAが出てきた。
それを見計らって二人の元へ向かう。
「A」
「あ……ジミナ」
「……誰?」
Aの顔はどこか苦しそうだった。
頰がほんのり赤く染まって額に冷えピタをはっている。
……熱が出たんだ。
昨日、本当は体調が悪かったんじゃないだろうか。
それなのに、お互いの都合が合うのが昨日しかなかったから、無理して来たんじゃないか。
「ごめん……俺が無理やり……」
「ううん。ジミナのせいじゃないよ」
「あの、どういうことですか」
横にいた男の子が冷たく言い放った。
まだ幼さの残る顔で、だけどその視線は鋭く俺を睨んでいた。
「ジョングクっ。
ジミナは悪くないの。私が言ってなかっただけだから」
「でもっ……」
ジョングクと呼ばれたその男の子。
Aが咳をすると、さっきの俺を睨んでいた表情とは打って変わって、慌てた様子でAの体を支えていた。
二人の関係が気になったけど、今は聞ける状況じゃなかった。
とりあえず入って、と言われ中に入った。
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閔(プロフ) - まなさん» 読者の皆さまに読みやすいように、綺麗に文章を書くよう心がけているので、そう言っていただけて嬉しいです。切なくも前向きなお話でしたが、皆さまにも伝わったらいいなあ...と思っています。ご愛読、ありがとうございました! (2019年12月25日 12時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
まな - 悲しいです。とても綺麗なお話でした。 (2019年12月25日 12時) (レス) id: 77b6913256 (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - じみちむさん» なんて嬉しいお言葉......私はじみちむ様のお言葉に今涙しています...笑 温かいお言葉、しみじみと感じております。本当に嬉しいです。ありがとうございました! (2019年12月25日 12時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
じみちむ(プロフ) - 泣いてます( i _ i ) (2019年12月25日 8時) (レス) id: f91208f58d (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - サヤさん» もうその一言だけで嬉しさが溢れてます(*^^*) サヤ様に私の気持ちが届いたのならよかったです。 本当にありがとうございました! (2019年12月22日 23時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:閔 | 作成日時:2019年12月20日 21時