起きないやる気 ページ3
「何隠しているんでしょうねィ」
そんな言葉とともに湯飲みに入ったお茶を一口。
目線をタバコを蒸かしているV字野郎に向けると「さぁーな、」となんとも興味がないと言った返事が返って来た。
そんな野郎にあんたがあんなに怪しい奴に興味を示さねェとは珍しいといえばチラリ…視線を一瞬俺に向ける。
「…興味が無ェ訳じゃねェよ。俺も弦楼碧は何か隠していると思ってるが、…俺たちはそれを詮索する権利なんて持ってねェからな」
それに大将が決めた事だ、とやかく言うことじゃねェだろ。…と。そんな言葉に思い出すのは、弦楼碧のあの胡散臭い態度とお人よしのうちの大将の姿。
土方さんの言うこともごもっともだがーー、
「乗れェや。」
「…あ?」
思わず口から出た俺の本音を拾いとったらしい土方に「だから乗れねェっつったんです。」と続けた。
「怪しさ全開の奴の、これまた怪しさ全開の宝物を預かるなんざ。しかも絶対に見るなと来やがった…フェアじゃねェですよフェアじゃ」
こちとら、下手したら命がけでその宝物とやらを預かることになるかも知れねェのに、それが何なのかも聞かされねェ上に見てもいけねェとなるとやる気も削げらァ。
どうすんだよ、その宝物とやらが熊の人形とか生きたカエルとかだったら。馬鹿馬鹿しいことこの上ねェじゃねェか。
「つーことで、やる気の無くなったんで俺はこれから寝まさァ」
「は?預かりもんが来るのは明後日だぞ……」
「グッドナイト、土方この野郎」
やる気の無さからゴロリとその場に寝転び首にかけてあったアイマスクを付ける。なんか、仕事しろとか言う戯言が聞こえないでもないが知るか。テメェが代わりに仕事しやがれ。そして、死ね土方。
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作者名:くれか | 作成日時:2018年7月28日 13時