【銀魂】この想いに、口付けを【沖田総悟】 (ページ1)

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ある女の子のお話ページ1

昔々あるところに、1人の女の子がおりました。

その女の子は外に出たことがありませんでした。継母が美しい彼女を他人の目に触れさせるのを酷く嫌がったからです。

継母は彼女に外はとても怖いところだと教えていました。女の子はそれを素直に信じておりました。

しかしそんなある日彼女の元に1人の男性が訪れ彼女を外に連れ出します。

男は彼女に外の世界の素晴らしさを教えてくれました。

空にも機嫌があって雨が降ったり晴れたり、時には虹というものが出るという事。

猫と言う動物は首元を撫でるととても喜ぶと言う事。

春には花が咲き誇り、夏には木々が生い茂り、秋には葉が紅や黄に染まり、冬には氷の結晶が降り注ぐという事。

多くの事を知った彼女に男はこう言いました。

「貴方は新しい事を知った時本当に嬉しそうに笑う。…ではここでまた貴方にある事を教えよう」

「まぁ、今度は何を教えてくれるのですか？」

「僕はこの国の王子なんです。貴方の噂を聞き、貴方を連れ去るつもりで近づきました。」

「王子、さま？」

「はい。最初はただの興味本意だったのですが貴方の笑顔に声に仕草に次第に心を奪われてしまった。もう僕は君の笑顔無しでは生きていけない。お願いです。これから先も貴方の笑顔を一番近くで見る権利が欲しい。僕と結婚して頂けませんか？」

彼女は頷き笑いました。その笑顔は今までの中で一番に輝くものでした。

それから2人は結婚し、いつまでも幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。

．

．

「………いいなぁ」

そんな声が独りきりの空間に虚しく響いた。