エキストラから始まる恋。 (ページ11)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:5,113 hit

電話ページ11

大倉side

あの食事の後、あみちゃんからの連絡は来なくなったし、撮影でも会うことがなかった。

クランクアップまであと2週間。

俺に残された時間は刻一刻と迫ってくる。

あみちゃんのLINEのホームにある通話ボタン。

今電話しても大丈夫やろか？

そんな不安を胸に、俺は勇気をだして押そうとした瞬間。

画面が切り替わって、通話の相手は『ヤス』と表示された。

『もしもし？』

『あ、おーくら。今平気？』

ヤスともしばらく会えてない。撮影も時間がかぶらなかったり、俺も東京にいることは少ない。

『おん、平気やけど、どしたん？』

『いや、これと言った用事はないねんけど…元気にしてるかなぁって』

遠距離恋愛か！

そう心の中でツッコミを入れて、俺はここ最近のことを話した。

あみちゃんのことも…

『ふぅん、んで、おーくらはその子が好きなんやろ？』

『おん…』

『らしくないで、いつものおーくらならガツガツ行くやんか。』

『せやけど…』

ここは普段の５大ドームツアーでも来ぉへんし、リサイタルやイベントでも来れるかどうか…。

『弱気になんな、』

ヤスはそれだけ言うと電話を切った。