エキストラから始まる恋。 (ページ2)

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撮影当日ページ2

当日の集合は朝7時半。お店とかは閉店してる時間帯に貸切でやるから、朝がめちゃくちゃ早いんだよなぁ…。

撮影現場に向かうまでのバスでうとうとしつつも、現場に入れば気持ちを切り替える。いくら、エキストラでも作品に出る以上、それ相応の責任はある。ミステイクは出せないし、出演者やスタッフさんに迷惑かけれない。

「おはようございまーす、よろしくお願いします」

次々と出演者さんが現場入りしてくる。
エキストラ1人1人にもちゃんと挨拶してくれる人もいる。

でも、大倉さんは違った。機嫌が悪いのかな？
ちょっとムスッとしていた。テレビで見るのと全然違う。もっとキラキラスーパーアイドルかと思ってたから、ちょっとガッカリ。

スタッフさんから立ち位置を指示され、待機してると近くに来た大倉さん。

ふわっと香るのは香水。ちょっとキツめかもしれない。
ちらっと隣を見ると、整った美しい横顔。さすがジャニーズだなぁ…なんて思ってると目が合った。

『なんか顔についてる？』

大倉さんは横目で私に聞いてきた。

お話しちゃダメ、って言われるとこもあるけど、この場合、話かけられたからいいよね…。

『あ、いえ…』

『そっか、今日はよろしくね』

顔が真っ赤になったのが分かった。
さっきの感じとは違い、キラキラスマイルを見せてくれた。

あの笑顔が忘れられない。撮影中もドキドキしながら、大倉さんを眺めていた。
たまに目が合うと、カメラが回ってないとこでは会釈してくれる。

なんて可愛い人なんだろ…。