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十年前、たまたま仕事でこの近くにきた。なんの仕事だったのか思い出せないが、メンバー以外にもジュニアが何人かいた気がする。


夜、なんとなく眠れなくてホテルの部屋の窓から外を眺めていると星が流れていくのが見えた。次から次へと流れる星に同室だった藤ヶ谷を叩き起こし、星を探しに行こうと言った。
藤ヶ谷は時計を確認し「今から?」と不機嫌そうに言ったが、今からだと言うと仕方ねーなと起き上った。

俺の願いを正確に知っていた藤ヶ谷は、メンバーみんなで行こうと言った。
マネージャーや他のジュニアの目を盗んで全員を起こし、眠たいを目を擦っている年下たちをタクシーに押し込み星を辿ってここまで来た。

眠た眼だったメンバーたちも次々と降る星を見ると歓声を上げ、一所懸命探しだした。

どうせならメンバーカラーにしよう! と誰かが言いだし、みんなそれがいいと言った。


俺たちの願いはひとつだった。後輩が先にデビューして、苦しくて、どうしていいのか分からなくて、でも絶対にこのメンバーでデビューさせて欲しいと皆で願ったあの日。

メンバーカラーの星を探すのが大変で、この際大きさはなんでもいいと大小さまざまな星を持ってみんなで食べた。あの時見た星空と味はきっと一生忘れない。


あの日があったから今があるとは思わないが誕生日の今日、星に願いをかけるならここしかないと思った。

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作者名:くらげ | 作成日時:2018年9月17日 0時

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