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当日、仕事が押さないか心配したが撮影は順調に進み予定より少し早く終わった。
着替えを早々に済ませ楽屋を出ようとすると、二階堂が声をかけてくる。
「ミツ、今日は予定あるの?」
「うん、ちょっと」
「そっかー、もし一人だったら焼肉にでも連れていってあげようと思ったのに」
「お前、それ俺に奢らせる気だろう」
「違うよ! さすがに誕生日におごらせたりしないって」
「んはは、ありがとな。また今度連れてってよ、にぃにの奢りで」
「しょうがないから別の日でもおごってあげる」
二階堂の笑顔に癒されながら再び楽屋を出ようとすると、メンバーから誕生日おめでとうと声がかかる。
「ありがとう」
やっぱり嬉しくて、照れくさいながら礼を言うと玉森が近づいてきた。
「ミツ、今日は薮くんとかと会うの?」
「まあ、そんなとこ」
「……そっか」
「どうした?」
「ううん、別に」
なにか言いたそうに見えたが、玉森はなにも言わなかった。相談したいことがあるのかもしれないと思ったが、早く行かないと間に合わなくなる。
「じゃあ行くな?」
申し訳ない気持ちを抱えつつ言うと、玉森はゆるく手を振った。
出る間際、部屋の隅に藤ヶ谷が不機嫌そうに携帯を弄っているのが見えた。
撮影中はどちらかというと上機嫌で、来て早々「誕生日おめでとう」なんて言ってくれたのだが一体いつから機嫌が悪くなったのだろうと思いながら駐車場に急ぐ。
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作者名:くらげ | 作成日時:2018年9月17日 0時