54 ページ4
ごちそうさまだって、電車の中で騒がないことだって言えばきちんと出来た。知らないだけで、教えたら出来ることが沢山あるかもしれない。
砂糖くんは教えられることを、嫌だなんて一度も言わなかった。
雷に打たれたような衝撃に黙っていると、藤ヶ谷さんは労るように砂糖くんを見つめる。
親身になってくれればくれるほど申し訳ない気持ちになるが、本当のことは言えない。そもそも俺だって、人間か妖精かすら分かってない。
砂糖くんは大きめのもこもこパーカーともこもこパンツ姿で、ソファの上でうとうとしていた。
「これ藤ヶ谷さんのですよね、すみません」
「お風呂上りは新しい方がいいかなと思いまして。よければこのまま着ていってください」
「いいんですか?」
「また着替えるのも大変だと思うので」
「すみません、洗ってお返しします」
藤ヶ谷さんの服を着ていると思うといい気はしなかったが、せっかくの好意を跳ねのけるのも大人気ないし、オーバーサイズのもこもこに包まれた砂糖くんは可愛過ぎる。
むにゃむにゃいっている砂糖くんの手を引いて帰ると、中途半端に起こされたからなのか名前を呼びながら甘えたようにぎゅっと抱きついてきた。
「たまぁー」
あたたかい体と甘い匂いに、ほわっと自分の体温が上がるのがわかる。
「ほらほら、ベッドに入って」
「ん〜、たまも……」
熱いくらいの温度で緩く握ってくる手を振りほどけなくて、コートだけ慌てて脱いでそのまま一緒にベッドに入る。
今までは風呂に入ってからじゃないと布団に入りたくない派だったが、砂糖くんが来てからそんなことは言っていられなくなった。
布団を被った途端俺の胸にぺたりと顔を寄せ、数回ぐりぐりと動かしたあと静かになる。
相変わらずの寝つきの良さに関心しながら体を離そうとすると、緩く腕を掴まれた。
解こうと思えば簡単に解けるけど、広がる甘い疼きに俺は振りほどけない。
少しでも長く一緒にいられますようにと祈りながら、温かい体を包んだ。
455人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くらげ(プロフ) - tenさん» tenさーん!お返事遅くなって申し訳ありません>_< テントでのキスはKさんもドキドキして顔が熱くなってました(//∇//)明るく去っていったKさんとTさんがどうなっていくのか、Kさんの成長込みで見守ってもらえると嬉しいです(*´-`)いつも本当にありがとうございます! (2021年5月29日 20時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
ten(プロフ) - みつくんもキスの時にちゃんとドキドキしてたんですね(* >ω<)もう、可愛い♪笑顔で去っていったけど、すぐ再会できるのか気になる〜。続きを楽しみにしてますね! (2021年5月26日 7時) (レス) id: 6e8b2c1d84 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - mimotaさん» mimotaさーん!計画性もなく書いているのでいつも目算を誤ってしまいますがそんな風に言って頂けて嬉しいです、ありがとうございます!(*´ω`*)もしかしたら寂しくさせてしまうかもしれませんが2人を幸せにするべく頑張りますので待って頂けたら嬉しいです(*´ω`*) (2021年5月24日 23時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
mimota(プロフ) - くらげさん!もうすぐ幸せな2人を見られるかも♪とラストに向かうのが待ち遠しいと思いつつも、もう終わっちゃうんだ(TT)と寂しい気持ちもあって…移行と聞いてむしろ喜んでます(笑)ありがとうございます!また続き楽しみに待ってますね(*≧∀≦*) (2021年5月24日 19時) (レス) id: e3aff967f8 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - ひろさん» ひろさん、コメントありがとうございます!Kさん視点で切なくさせてしまったかもですが最後は幸せな気持ちになって貰えたらと思っております。いつも見守って頂き本当にありがとうございます。移行する事になってしまいましたが最後まで見て頂けると幸いです(*´-`) (2021年5月23日 21時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:くらげ | 作成日時:2021年2月6日 0時