Sugar 2

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熱い顔を手で仰ぎ、さっき見た映像と妄想を何とか追い出す。


タイマー機能を使うことを覚えたから、米は帰宅時間に合わせて炊けていた。

ボールに熱々のご飯を入れ、おにぎり用ふりかけと一緒に混ぜる。ラップを手に乗せ熱さと格闘しながら握ると皿に乗せ、そこにさっき作った玉子焼きも斜めに切って置いた。


洗面台から聞こえるドライヤーの音にタイミングを計りながら、買ってきた合いびき肉と玉ねぎをみじん切りにしてフライパンで炒め、少ししたら醤油や砂糖、酒とチューブしょうがを入れて更に炒める。

火を止めレタスを敷いた皿にご飯と炒めた肉を乗せ、最後に市販の温泉たまごと刻んだねぎを乗せたら出来上がり。


「初めてにしては、なかなかいいんじゃない？」


ひとり自画自賛しながら水と一緒にテーブルに持っていくと、砂糖くんが戻ってきた。


「喉乾いたでしょ？ 水飲んだらご飯にしよ」


俺の言葉にカーペットに座り、勢いよくごくごく水を飲むとぷはーと声を出す。

お風呂上りでピンクに染まった頬が白い肌に映えて、幼いような色っぽいような何とも言えない雰囲気で一瞬目が泳いだ。


「今日はミンチライスにしてみた」
「美味しそう！」


聞こえた無邪気な声に駄目だ駄目だと煩悩を追い払い、皿を前に置く。


「ちゃんと野菜も食べるんだよ」
「はーい」


いただきますと手を合わせてから、俺を真似して半熟卵をスプーンで潰し黄身をご飯と肉に絡めて口に入れた。


「ん〜、おいふぃ〜」


ほっぺをぱんぱんにして目を細める姿に、心がほわっと暖かくなる。


「ほんと？ よかった」
「たま、お店できちゃうね」


ごくんと飲み込んでから、満面の笑顔で言う。


「さすがに店は無理でしょ」
「そんなことないよ！ たまのご飯が今まで食べた中で一番美味しい」


キラキラした顔で言うから、なんだか照れ臭くなって目を伏せる。


「大袈裟だって」
「ほんとなのにー」


ふてくされる砂糖くんに冷めないうちに食べてと言うと、すぐに機嫌を直しはーいとまた箸を進めた。

砂糖くんの言葉を鵜呑みにしたわけじゃないが、本当に美味しいと思ってくれているのは表情からも伝わってくる。


それだけで仕事の疲れも吹っ飛ぶなんて、今までの俺じゃ考えられなかった。

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