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「仲良いって言うか、あんなことがあったから気に掛けてくれてるみたいでさ」
まだ吸っていたかったが答えて欲しそうな雰囲気を強く感じ、仕方なく指を離す。
「二人で楽屋抜ける時あるじゃん。どこに行ってるの?」
「ああ……匂いを嗅いでもらってる」
滴り落ちそうな血に舌を伸ばそうとすると、ぐっと肩を押された。
「あ、血が落ちちゃ」
「ガヤに匂い嗅いでもらってるの? 二人で?」
「え、あ、うん」
指から落ちた血がシーツに赤を作るのを目で追っていると問い詰めるような声が聞こえ、顔を上げると険しい顔をした玉森がいた。
「なんでそんなことすんの?」
「藤ヶ谷が自分は匂いに敏感みたいだから、どれだけ匂いが出てるか確認してくれるって」
「そんなの俺がやってあげるし」
「や、でも藤ヶ谷の方が匂いに敏感だから」
「もしかしてガヤに血をもらってるの……?」
昨日は朝から地方でロケがあるから一日傍にいられない、どうしようと言ってきた玉森に仲間からいい薬をもらったから一日なら大丈夫だと答えていた。
どう切り出そうか考えていたタイミングだったから丁度良いと答えたが、玉森は誰からもらったのか、本当に大丈夫なのかとしつこく聞いてきた。
試したことがあるからと言っても、いつ使ったのかどこで使ったのかと更に聞いてくる。
大丈夫だからと押し切ったが、最後まで納得していなさそうな雰囲気は感じていた。
「藤ヶ谷は何にも知らないんだぞ? もらうわけねーだろ」
だから玉森がそう言い出した時も、見ようによっては見えるかもしれないと納得はした。
「けどガヤはミツの匂いをずっと気にしてる」
「だからって俺が吸血鬼だとか思わないじゃん」
「そうかもしれないけど」
「たまは何の心配してんの? 別に藤ヶ谷に血をもらったっていいだろ、お前も楽になるし」
絶対にありえないが他の誰かに血をもらえるなら、玉森としては負担が減っていいのではないかと思う。
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くらげ(プロフ) - ももはさん» ももは様ー!どこに進んでいるのか自分でも分からなくなる中わくわくしながら読んでくださっているなんて嬉しすぎます!(;_;)距離を置きたいのにどんどん近付いてしまう展開に複雑な想いを抱えるKさんとFさんの未来と過去を見守って頂ければ嬉しいです(*´ω`*) (2020年3月1日 1時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
ももは(プロフ) - くらげ様ー!ずっとずっと読ませて頂いております。わくわくしています!過去のFKが垣間見れた気が勝手にしてますが、先が分からなすぎてもう、興奮しまくりです☆Kさんがどんなような想いで距離を置こうとしてるいるのか…胸は締め付けられますが…楽しみです! (2020年2月29日 11時) (レス) id: db5af09c34 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - 蜜柑さん» 蜜柑様、初めまして!こんな長々とした話を読んで頂いた上に興奮して頂き、ありがとうございます!しかもTKも大好きと仰って頂けてすごく嬉しくです(〃ω〃)自分で考えた設定ながら難しく煮詰まっておりますが頑張りますのでこれからもお付き合い願えたら幸いです^_^ (2020年2月26日 23時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 初めまして。フラフラと彷徨っていましたらこちらの作品に出会えました!すごく興味の引く設定にリアルなお話…なんて美味しそうなお話なんだと興奮しております!やはり藤北は外せませんが玉北も大好きなんでありがとうございます!更新楽しみにしています(^^) (2020年2月25日 22時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - ももはさん» ももは様ー!私こそコメント本当にありがとうございます!お互い相手に対し分からないモヤモヤを募らせていますがここから徐々にバチバチ強めになっていくかと…!謎のサスペンス要素も入ってきて(^^;; 上手く書けるか不安ではありますが楽しんで頂けるよう頑張ります! (2020年1月25日 1時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くらげ | 作成日時:2020年1月10日 0時