15 ページ15
それから二日間、仕事で会う機会がなかったので連絡して玉森の自宅に行った。
次の日、本当に連絡してもいいのかと躊躇っていたら玉森の方から”何時に来んの？”と連絡があった。
気遣いに申し訳なさと有難さを感じ、明日は俺から連絡しようと心に決めた。
今の俺は、玉森がいなければ普通の生活も送れないのだから。
重度の発 情期を一か月終え分かったことは、満月の前後二日は血が必要だということ。
それを過ぎればいつも通り、血剤と抑制剤で何とかなる。
匂いは自分で分からないからはっきりしたことは言えないが、玉森が言うように血への欲求に比例するように感じた。
発症したのは12歳の時。
急激な体熱の上昇と喉の渇きに恐怖と戸惑いを感じながらも、突き上げる性と血への欲求を押さえられなかった。まさに手当たり次第と言ってもいいだろう。
よくよく考えたら当時ガキだった俺が相手に困らなかったのは、玉森曰くえっちな気分になる匂いのおかげだったのかもしれない。
しかしその頃の俺は記憶が消せることも知らなかったから、当然大騒ぎになった。
両親は毎日ケンカの連続で、最終的には離婚した。
母は混血だった。
そして混血だということを父に言っていなかった。
母は俺を抱きしめながら、ごめんなさいと泣いた。
母は父の中にある俺が発症してからの記憶を消した。
俺たちは母親の実家に引っ越した。
騒ぎはいつの間にか収束していた。おそらく母が騒ぎ立てていた人の記憶を消したのだろう。
家に行くと祖父母は黙って俺を抱きしめた。
その時、俺は初めて泣いた。
俺の家系には他にも混血が何人かいて、母から紹介された。
そこで吸血鬼のことや発 情期、抑制剤や血剤のことも教わった。
母親も祖父母も親戚も、誰も俺のせいだとは言わなかった。
仕方がなかったのだと。
だが俺のせいで母の人生を駄目にしてしまった、その想いがずっと消えなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 769人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くらげ(プロフ) - mimotaさん» mimotaさんー！明けましておめでとうございます(*≧∀≦*)Fさんsideどきどきして貰えたようで嬉しいです(〃ω〃)そういった内容…何れ出てくるかと思いますので気長にお待ち頂けたら嬉しいです（笑）今年も宜しくお願いします！コメント本当にありがとうございました！ (2020年1月6日 22時) (
レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
mimota(プロフ) - くらげさん！あけましておめでとうございます☆年始からたくさん更新嬉しいです(*≧∀≦*)この間のFさんsideすごくどきどきしました\(//∇//)\またこの後も、くらげさんが書かれるそういった内容のFKがみれることをひっそりと(笑)期待してます(^^) 今年も応援してます！ (2020年1月6日 11時) (レス) id: e3aff967f8 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - nanacoさん» nanacoさんー！今作も読んで頂けているだけで嬉しいのに更に嬉しすぎるお言葉…！本当にありがとうございます！！｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡想像以上に吸血鬼設定に苦戦しておりますがワクワクして貰えるよう頑張ります！コメント本当にありがとうございました(*´ω`*) (2020年1月6日 1時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - くらげさん、前作に続きこちらも愛読させて頂いております(//∇//) 吸血鬼設定、とってもワクワクします♪ 北玉も藤北も、くらげさんの書く世界観の中で読めるのが嬉しくて仕方ないです(><) (2020年1月6日 0時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - ririkaさん» ririka様ー！読んで下さっただけでなく嬉しいお言葉まで本当にありがとうございます！！(〃ω〃)ここからTさんFさん、どんどん巻き込まれていきそれによってまた色んな出来事が起こる予定ですので楽しんで貰えるよう頑張ります！応援ありがとうございます(*≧∀≦*) (2019年12月19日 23時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くらげ
| 作成日時：2019年11月19日 0時
