210 K ページ10
東京でのコンサート中、藤ヶ谷の体調が悪いような気がした。
舞台中から寝不足と食欲不振が続いているようでずっと体調は悪そうだったが、パフォーマンスに支障が出るようなことはなかった。
だが今日は一瞬動きが止まった。
すぐに動き出したが、どこか悪いのではないかと心配になった。
メンバーがいる前で体調の話を出すのは気が引けるし、かと言ってわざわざ呼び出すほどのことではない気がして、横尾に任せておけばいいかと喫煙所でタバコを吹かしていた。
するとそこに藤ヶ谷がやって来て、どんなタイミングだよと心の中でため息を付いた。
だがこのタイミングで会うなら、やはり聞いておいた方がいいだろうと思う。
すると素直に体調が悪いと言ってきたので、相当辛いのだろうと感じた。
表情が見たくて近づくと頬に手が添えられ、えっと思った時には唇が重なっていた。
焦点が合わないくらい近くにある藤ヶ谷の顔に驚き体を離そうとすると、後頭部を引き寄せられ更に唇を押し当てられる。
「ん……っ」
気が動転してほぼなすがままになっていたので唇に吸い付かれた瞬間、小さく声が漏れてしまった。
自分の声にハッと我に返り、抱き寄せてくる体を突っぱねる。
「急に、なに……？」
意味がわからなくて、唇に触れた感触すら本当なのかもわからなくて、ただただ混乱していた。
しかし藤ヶ谷は、黙ったまま何も言わない。
何も言わないキスには何の意味があるのだろう。
恋人や結婚相手ならそれもありだろう。
だが俺たちは、ただの仕事仲間だ。
何も言われなければ何の意味も持たない。
「俺がお前のこと好きだと思って馬鹿にしてんの……？」
もう頭がぐしゃぐしゃだった。
よく分からない感情が溢れだして、自分でも止められなかった。
「お前なんて、もう好きじゃない」
答えが見つからなさ過ぎて、一人で考える容量を超えてしまった。
振り回されるのに疲れて俺は全部を投げ出した。
藤ヶ谷に名前を呼ばれたがもう何も聞きたくなくて、ひたすら走った。
途中涙が溢れて止まらなくて、いつも行く人気のない自動販売機にたどり着くと崩れるようにベンチに座った。
どれくらい時間が過ぎたのだろう。気が付いたら玉森がいた。
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ちび(プロフ) - ありがとうございます、実はまた続編読みたいな、思ってました、お知らせくるの待ってますね⚪︎ (2023年3月21日 21時) (
レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - ちびさん» ですし何かキリのいい数字になった時に続編を書くかもしれませんので、その時はよろしくお願いします。この度はこんな長い話を読んで頂き、メッセージを頂き本当にありがとうございました。また読みにきてくださったら嬉しいです(*´-`) (2023年3月21日 21時) (レス) id: 4781cdc11c (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - なんかラブFKめっちゃ良いですよね、楽屋の話探してて見つけました、楽屋てちょっと覗いで見たいですよね💓で、きっとめっちゃうるさそうだし笑 FKを冷やかす弟組とか大好きです⚪︎ (2023年3月21日 21時) (レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - めっちゃ引き込まれました、倉北ベタベタしてますもんね、ヤキモチ焼きFは私もよく妄想してます、倉優しいし関西弁で捲し立てる感じめっちゃ笑いましたありがとうです、勇気ないF可愛すぎましたわ、Kも早く言ってよ、てね (2023年3月21日 21時) (レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - ちびさん» 途中どうやって持っていこうかと悩みましたが最後の最後で動いてくれて良かったです。この話は色んな人が関わってくる話にしたので大変な時もありましたが沢山の方に読んで頂ける作品になったので嬉しかったです。ラブラブFKは書いてて笑ってしまいましたが楽しかった (2023年3月21日 21時) (レス) id: 4781cdc11c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらげ
| 作成日時：2019年6月27日 23時
