165 O ページ15
何度誘っても用事があると断る北山に痺れを切らし楽屋に行く途中、廊下で横尾に会った。
「大倉くんも今日はここですか？」
北山を介してしか話したことはなかったが、さすがに先輩を無視するわけにもいかなかったらしい。
「君らもこっちやったんやな。北山もおんの？」
「はい、今日はメンバー全員での撮影なので」
知っていたことをわざわざ口に出すと、横尾は丁寧に返事をする。
「横尾くん、時間ある？ コーヒー奢るし、ちょっと付き合ってくれへん？」
横尾は藤ヶ谷と仲が良いし、北山との関係も良好だという認識があった。だから探りを入れるには丁度いいと思って声を掛けた。
不思議そうにしていたが、横尾は俺の後について人通りがあまりない自動販売機までやって来た。
買ったコーヒーを渡し、近くの椅子に腰掛ける。
「最近、北山どうしてる？」
「ミツですか？ 特に変わった様子はないですけど」
横尾の様子からすると、北山は普段と変わりなく過ごしているらしい。
「藤ヶ谷くんとなんかあったりせーへん？」
「あー、なんか最近仲いいですね」
「どんな風に？」
「仕事中もよく話してますし、俺と三人でご飯に行くことも多いですね」
「……そうなんや」
予想通りだった。
北山が藤ヶ谷を好きなのは知っていた。言われたことはないが見ていれば分かる。
でも何年も行動に移さないから、どうにかする気はないのだと思っていた。
ずっと北山が好きだった。
北山の笑顔と笑い声が俺を支えてくれていると気が付いたのはいつの頃か。
生意気な態度に隠れる寂しさを愛おしく思った。
強がる癖に傷つきやすいその心を、俺が包んでやれたらと。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 470人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くらげ(プロフ) - makoanjyuさん» makoanjyuさん、いつもありがとうございます！Fさん言葉にはしない癖に無意識に行動しちゃうからいつも大変な事に(^_^;)Kさんに否定されTさんに嫉妬して心の嵐に翻弄されるFさんとT、Y、Oさん其々の想いがどう交錯していくのか移行後も見届けてもらえたら嬉しいです！ (2019年6月26日 1時) (
レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
makoanjyu(プロフ) - いきなりKさんにキスしちゃったFさん。相手に否定されて初めて味わう嫉妬と独占欲！大好物デス(//∇//)TさんのKさんに対する甘やかす様な抱擁を見てしまったFさん。何で見に行っちゃうかなぁ。そしてTさん良い仕事しますね♪もっと暴れてください♪(´ε｀ ) (2019年6月25日 23時) (レス) id: 7bd3afd279 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - さゆりさん» さゆりさん、初めまして！仕事後のご褒美にしていますなんて言って頂き私の方がご褒美を貰った気持ちです｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡これからもドキドキしてもらえるよう頑張りますので移行後もお付き合い願えれば嬉しいです(*´ω`*)コメント本当にありがとうございました！ (2019年6月25日 22時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
さゆり(プロフ) - 初めてコメントさせて頂きます。くらげさんのこのお話が凄く好きで、毎回更新されていると勝手に仕事後のご褒美にしています。笑 Fさんやっと気付いて毎回切なくもドキドキ読ませていただいてます。くらげさんの描くお2人がとても繊細で大好きです^_^ (2019年6月25日 15時) (レス) id: 6b1f7122fc (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - makoanjyuさん» makoanjyuさん、こちらこそいつもご丁寧にありがとうございます！香水を買ってから長かったですがやっとここまで来たかと…！少しずつ変化していく2人を細かく書きたかったのでそう言って頂けて本当に嬉しいです(；ω；)次の更新でガッと動くので楽しみにして貰えたら！ (2019年6月22日 2時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くらげ
| 作成日時：2019年5月17日 0時
