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ﾆﾉのほうから連絡があり、やっぱりｼｮｳさんの携帯にも何度掛けても繋がらないということだった。
直接、ｼｮｳさんの部屋に行く為に、俺は大学の事務所へｼｮｳさんの連絡先を聞きに駆け込んだ。
そこで知る、新たな事実。
ｼｮｳさんは俺と会って話をした日、学校へ退学届けを出していた。
―――きっと、彼の病状は軽くは無い。
そう思わずにはいられない。
軽ければ、簡単な手術であれば、きっとこの夏の間にどうにか出来た筈だ。
それを、この夏も終わろうとする時期を選び、この院にまで進んだ学び舎を去ろうという決意。
『部屋を引き払う』と言ったその言葉のチョイスにやっと気が付いた。
ｼｮｳさんは移るではなく、引き払うと言っていた。
今考えれば、そんな小さなヒントが沢山現れてくる。
・
緊急の重大な理由があることを叫びながら訴えて、半ば脅すように、住所として登録されているアパートの場所を手に入れた。
・
真っ赤な西日に焼けた部屋を、途中で落ち合ったﾆﾉとともに訪れた。
ｼｮｳさんの部屋は、鍵が掛かっておらず、その中身は、まばらに片付けられダンボールに押し込まれていた。
そして、部屋の真ん中にまだ残されていた、ローテーブルの上には、二つの携帯が並べて置かれていた。
それ以外、何一つ、手紙も、言い訳さえも残さず。
二人は消えてしまった。
・
・
それから、何度も二人の部屋を訪ねた。
暫く放置されていた二つの部屋は、ある日ほとんど同時に、業者の手によってきれいに片付けられていた。
不動産屋に『部屋を下見したい』とウソをつき、あなたの部屋に入った。
あの日、この部屋であったことを、どう考えればいいのか分からずに、一人そこにうずくまり泣いた。
胸の内をさらけ出し一つになったと、なれたと思ったことは、俺の錯覚だったのだろうか？
あの締め付けるような幸福はどこに行ったしまったんだろうか？
―――分かっている。あなたがｼｮｳさんを選ばざるを得なかった訳は。
それでも残された痛みは俺をいつまでもそこから動けなくさせた。
・
数日後、丁寧に梱包された荷物が届けられた。
それは、あの日あなたの部屋で見た、俺の横顔だった。
それが、やっと届けられた、あなたのたった一つの想いだった。
ラッキーアイテム
革ベルト
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wakano(プロフ) - あおみさん» ドキドキ私もしてます。どうなるんだろう？（笑）大まかには決めてるんですが、一つだけ。死人は出ません！ (2012年9月13日 12時) (
レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
あおみ(プロフ) - そんな…サトシくんはどうなっちゃうんですか！次回の更新を震えて待ちます。ドキドキします… (2012年9月13日 1時) (レス) id: e8e0a50d24 (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - あおみさん» のんびりと書いていたので、凄く辛い時期が長かったですよね（笑）大変お待たせいたしました。まだもう少しお話自体は続きますが、二人の気持ちが伝わりあうのはもう目の前です！頑張りま〜す！ (2012年9月8日 11時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
あおみ(プロフ) - アップ直後から何度も読み返し、ジュンくんとサトシくんとショウくんそれぞれの心を思って切なく、また温かな気持ちになります。素敵なお話、ありがとうございます！毎回毎回涙を堪えるのが辛いので外では読まないようにしてました。続き、震えて待ちます！ (2012年9月8日 8時) (レス) id: e8e0a50d24 (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - ＊華＊さん» やっと意志の疎通が出来そうなとこまで来ました。ここまできたら一気書きでしょう！『はろまい』返上で書き上げます！一話ずつ出来次第アップするので、お暇だったら覗いてみてください（ぺこり） (2012年9月8日 8時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：wakano | 作者ホームページ：http://wakano.blog.fc2.com/
作成日時：2012年7月12日 12時
