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結局一言も俺から発する事は出来ずに、そのままふらりと駅に降り立つ。
改札を抜け外に出て、月と街灯しか俺たちを照らすものが無くなると、ｼﾞｭﾝの手が俺の右手首を掴んだ。
「…無かった事にしたい？」
返事をしなければ、と思う。
「ｼｮｳさんの前では俺たちは何もしてません、てそんな顔しときたいの？」
「もう、会うつもりはなかったんだ。続けるつもりもない」
「…そんなの、今更聞けない。それはｵｵﾉさんのほうの事情だ。俺は手離すつもりないからな」
「なんで、もういいじゃないか！放っておいてよ。俺はもう部外者だし、お前らに会う義理もない…」
「…じゃ、何で今日は来たの？」
その問いに俺はこみ上げて来る想いを噛み潰す事しかできない。
「…ｼｮｳさんが呼んだから？」
苦い物が口の中一杯に広がる。
自分が流させた、ｼｮｳくんの涙のように。
「……そうだよ」
ｼｮｳくんが言った。『ｼﾞｭﾝ』のところに行けと。
でも、それは俺には全く反対の意味に響いた。
『俺が、ここで泣いているのも、辛すぎる選択も、全てお前の心変わりが原因だ。全部知ってるんだ。行けるものならｼﾞｭﾝの所に行ってみろ』と。
ｼｮｳくんが『皆が寂しい』と俺を誘ってくれたから。ｼｮｳくんから俺に声を掛けたから。
ｼﾞｭﾝに会うことが許された気がしたんだ。
「この前、俺が言ったの聞いてなかった？」
捕まれた腕が引き寄せられる。
その胸に押し付けられる。
「…それでいいって。俺は誰の代わりでもいい。俺とこうすることを、ｵｵﾉさんが許してくれるなら」
ｼﾞｭﾝのシャツにはｼﾞｭﾝの吸う煙草のスモーキーな匂いが染み付いて、少しの汗と混ざり合って、ｼﾞｭﾝ独特の匂いを作り出していた。
俺を包むそれが、欲を開いていく。
ｼﾞｭﾝの頬に指を這わせ、その唇に触れた。
「…身代わりでいいって？」
―――ｼﾞｭﾝはｼﾞｭﾝ。それ以外の何物でもない存在だ。
「…やるよ。俺の体くらいなら」
いくらでも。
それでも、そこに気持ちを乗せてやることは出来ない。
それが、俺のせめてもの償いだ。
『永遠の片想い』。
ラッキーアイテム
革ベルト
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wakano(プロフ) - あおみさん» ドキドキ私もしてます。どうなるんだろう？（笑）大まかには決めてるんですが、一つだけ。死人は出ません！ (2012年9月13日 12時) (
レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
あおみ(プロフ) - そんな…サトシくんはどうなっちゃうんですか！次回の更新を震えて待ちます。ドキドキします… (2012年9月13日 1時) (レス) id: e8e0a50d24 (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - あおみさん» のんびりと書いていたので、凄く辛い時期が長かったですよね（笑）大変お待たせいたしました。まだもう少しお話自体は続きますが、二人の気持ちが伝わりあうのはもう目の前です！頑張りま〜す！ (2012年9月8日 11時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
あおみ(プロフ) - アップ直後から何度も読み返し、ジュンくんとサトシくんとショウくんそれぞれの心を思って切なく、また温かな気持ちになります。素敵なお話、ありがとうございます！毎回毎回涙を堪えるのが辛いので外では読まないようにしてました。続き、震えて待ちます！ (2012年9月8日 8時) (レス) id: e8e0a50d24 (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - ＊華＊さん» やっと意志の疎通が出来そうなとこまで来ました。ここまできたら一気書きでしょう！『はろまい』返上で書き上げます！一話ずつ出来次第アップするので、お暇だったら覗いてみてください（ぺこり） (2012年9月8日 8時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：wakano | 作者ホームページ：http://wakano.blog.fc2.com/
作成日時：2012年7月12日 12時
