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「…うん」
そして、また交わす優しいくち付け。
「…誠も、絶対無理すんな。ちゃんと痛かったらそう言って。じゃないと、出来ないから」
「うん」
「…じゃあ、するよ?」
「…うん」
旭は体を起こすと、後ろにあるスツールから何か小瓶を取り出し、手の平に振った。
「…何?それ?」
「何にも用意がないから、とりあえずボ○○○イル」
「なんで、そんなの使うの?」
「……滑りがよくなる」
旭が言いずらそうに、しょうがなく、俺に言った言葉で、俺は地面に穴掘って埋まりたいくらい恥ずかしくなった。
「…誠…いいんだけど。何聞いても。でも、自滅するようなことはやめような」
ポンポンと、俺の頭を叩いた後、
「可愛すぎて…暴走しそう。止まんなくなる」
体を這いながら、俺の下へ回った旭の指は、足の間から塞ぐように手の平で割れ目にそって伸ばされる。
そして、俺さえも触れたことのない場所へ、その先を突きたてた。
「ん…っ」
分かっていても、息が詰まった。
入り込んできた指先は、おかしな感じがしたけど、それでもオイルのおかげで、痛みはなかった。
出し入れを繰り返される感覚に、少しずつ慣れていく。
「…大丈夫?」
「ん…余裕」
にっと笑ってやると、ちゅっと短いキスが降る。
押し広げられる感覚と、本数の増える指と。
内壁を擦られるリズムに、内側から揺らされる体。
それに合わせて、旭の呼吸と自分の呼吸が重なっていく。
突然、意図もなく、体がびくっと跳ねた。
「…やっ」
俺の反応を見て、旭がその場所を再び掠める。
「あっ…なに…あっ」
出てしまう声とともに、また反応し始める自分にかまう事も出来ず、何かに掴まりたくて手を伸ばす。
その俺の指を旭がしっかりと捕まえる。
一本、一本を交差し、絡めあわせ。
ぎゅっと、握り締める。
ゆっくりと抜かれる指に代わり、旭が俺の入り口にいる。
「誠」
「旭」
お互いの名前を呼んだだけで、それは愛を誓い合っていることだと分かった。
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wakano(プロフ) - *華*さん» なんだか、これだけ細かく書いてると、最後までいくのに何ページ使うの?って思うんですが、きっと旭も丁寧にやろうとするだろうし、誠は、『わっきゃっ』うるさいだろうし、と思うと、なかなか進みません(汗)何より、ちょっと楽しくなってきた(笑) (2014年10月2日 22時) (レス) id: 660e647bc0 (このIDを非表示/違反報告)
*華*(プロフ) - 脱ぐってまこっちゃん男らしいね!(笑)でもそこでリードを渡さない旭も男らしい。ふたりの相手を想う気持ちと初々しさにニヤニヤしちゃいます。 (2014年10月2日 10時) (レス) id: 05fe7ce0c3 (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - *華*さん» 旭の母ちゃん、とっても書き易いいい人です(笑) 苦労人なんですが、それ故さっぱりしていてかっこいい。味方でよかったねという感じです。ここの場面はラストに持ってこようかどうしようかと迷いましたが、残された時間に気がつきどうするべきか考える誠を書きました (2014年9月28日 19時) (レス) id: 660e647bc0 (このIDを非表示/違反報告)
*華*(プロフ) - 怒涛の更新お疲れ様です☆思わず旭母ちゃん初対面のときを読み返しちゃいました(о´∀`о)誠からそんなこと伝えるなんて、何だか感慨深いです♪(気分はすっかり親戚のオバチャン化した応援団)旭の二人の未来を見据えての落ち着きが嬉しいです(*´∀`)♪二人共頑張れ~ (2014年9月26日 11時) (レス) id: 18f431e9cb (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - 天羽さん» はい、いよいよです。長かったわ〜(笑)こんなにお初に時間が掛かったのは初めてです。まあ、最初はキス止まりの話にしようと思ってたので、こういうことになってしまったんですが。話としては一ヶ月少々のお話ですが、私の積もり積もったものをぶつけたいと思います。 (2014年9月26日 6時) (レス) id: 660e647bc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:wakano | 作者ホームページ:http://wakano.blog.fc2.com/
作成日時:2014年5月25日 21時