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「うん…ちゃんと俺の方から言うよ。旭のこと」
本当のところ、それが出来るのはいつになるんだろうか。
それでも、それも乗り越えなくちゃいけないことの、一つになるんだ。
「…ガンバルよ」
ちょっと下を向いてしまった俺の頭を、旭はがしがしとかき回した。
「頑張んなくていいよ。俺は俺。ここでちゃんと話しておきたいのは、俺とうちの親とのことだから。…俺は、今まで頑張ってくれた誠だけで、充分。それにこれからは、二人で頑張っていくことなんだから」
旭がそう言ってくれるのは、とっても嬉しかった。
一人だけじゃない。
これからは、二人で進んでいくんだよな。
どちらともなく、手を取り合う。
指先を絡ませて、しっかりと。
「…じゃ、行こうか」
そうして、その第一歩を踏み出した。
「へーよかったじゃん。あたしの言ったこと、当たってたでしょ」
旭の母ちゃんは、俺たちが付き合うことになったことを、旭がおずおずと打ち明けると、あっけらかんとそう言って、にっこりと笑った。
「…人には人それぞれに、その人のこと好きになる理由があるんだよ。あたし自身が、我がままにそういう生き方してんのに、自分の子供にどうこう言えないでしょ」
ベッドの上に、膝を抱えて、その膝の上に、きれいな線の細いあごを乗せ、にっこりと微笑む。
なんだか、神々しいようにきれいに見えた。
「…ありがとうございます!お母さん!」
思わず、そう言って、深々と頭を下げた俺に、旭の母ちゃんは、
「ぶー、そこは減点。あたしが生んだの旭だけだもん、お母さんはイヤ」
と、眉間にしわを寄せた。
「母さん、そんな顔すると、マジにしわくちゃになるぜ」
「…るっさい、旭」
「えっとじゃあなんて…」
「由美ちゃんて呼んで。みんなそう呼んでるから」
「お前、それはないだろ?」
旭の顔が、凶悪そうに真ん中に寄る。
「なんでよ〜?こんな可愛い子、あたしも友達になりたいもん」
「悔しかったら、そんなこと言ってる間に、さっさと再婚相手でも探せよ!」
「あ、それはないんじゃない!?自分に相手できたからってさ、手の平かえしたようにさ!」
「……俺は、そんなんじゃなくて…」
由美ちゃんのことを思っているのを、うまく伝えられなくて、旭は途中で、言葉を飲み込んでしまった。
「…あんまり、心配かけないようにするよ」
由美ちゃんはそんな旭のこと、ちゃんと分かっている。
「彼氏つくっても、心配するくせに」
そう言って、笑った。
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wakano(プロフ) - *華*さん» なんだか、これだけ細かく書いてると、最後までいくのに何ページ使うの?って思うんですが、きっと旭も丁寧にやろうとするだろうし、誠は、『わっきゃっ』うるさいだろうし、と思うと、なかなか進みません(汗)何より、ちょっと楽しくなってきた(笑) (2014年10月2日 22時) (レス) id: 660e647bc0 (このIDを非表示/違反報告)
*華*(プロフ) - 脱ぐってまこっちゃん男らしいね!(笑)でもそこでリードを渡さない旭も男らしい。ふたりの相手を想う気持ちと初々しさにニヤニヤしちゃいます。 (2014年10月2日 10時) (レス) id: 05fe7ce0c3 (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - *華*さん» 旭の母ちゃん、とっても書き易いいい人です(笑) 苦労人なんですが、それ故さっぱりしていてかっこいい。味方でよかったねという感じです。ここの場面はラストに持ってこようかどうしようかと迷いましたが、残された時間に気がつきどうするべきか考える誠を書きました (2014年9月28日 19時) (レス) id: 660e647bc0 (このIDを非表示/違反報告)
*華*(プロフ) - 怒涛の更新お疲れ様です☆思わず旭母ちゃん初対面のときを読み返しちゃいました(о´∀`о)誠からそんなこと伝えるなんて、何だか感慨深いです♪(気分はすっかり親戚のオバチャン化した応援団)旭の二人の未来を見据えての落ち着きが嬉しいです(*´∀`)♪二人共頑張れ~ (2014年9月26日 11時) (レス) id: 18f431e9cb (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - 天羽さん» はい、いよいよです。長かったわ〜(笑)こんなにお初に時間が掛かったのは初めてです。まあ、最初はキス止まりの話にしようと思ってたので、こういうことになってしまったんですが。話としては一ヶ月少々のお話ですが、私の積もり積もったものをぶつけたいと思います。 (2014年9月26日 6時) (レス) id: 660e647bc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:wakano | 作者ホームページ:http://wakano.blog.fc2.com/
作成日時:2014年5月25日 21時