たまには弱くなりなさい

5,春に咲き誇る桜 ページ5

NOside




今日は早坂高校受験の結果発表日。




KZ男子は、全員で早坂高校を受けたのだ。




本来受験しないと為らないのは若武だけ。




けれど彼らは、




中学受験の努力も、馴染んだ中学も捨て、




新しい高校へ全員で入り直す事を決断した。




そのままの中学に居続けていると




＿＿＿＿彼女を思い出してしまうから。









若武がゆっくりと形の良い唇を動かす。




「…見るぞ。用意は良いか？」




「「「「「当たり前。」」」」」




途端、勢いよく全員で一斉に前を向いた。




前には合格者の番号が書いて並べてある。




「…あっ……！」




若武が声を漏らした次の瞬間、全員が囁いた。




「「「「「「…あった…！」」」」」」




「…っっ！！やったぞぉおぉぉおぉ！」




大きく上へと跳ね上がる若武。




そんな光景を前に、美門は凍り付いた。




「…あれ…」




その方向を向き、全員が思わず息を呑む。





「「「「「「……ッ！？」」」」」」









サラッ








『うん…よし…』








ふわり









ミルクブラウンの髪が、視界の隅に映ったのは







高く透き通る声が、耳の奥に届いたのは







微かな香水の香りが、鼻の先に触れたのは







春に咲き誇る桜に魅了された







俺/僕らの、気の所為ですか?







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