193. 彼の記憶 ページ43
『……ヒビキは、私が21の時に死んだ元彼なの』
ﾊｰ「え？」
ﾛﾝ「じゃあ何でこの人はAの記憶があるの？」
ﾋﾋﾞ「さっきも言ったろ？急に頭の中に元彼くんの記憶が蘇ってきたって」
『でも、あなたはヒビキじゃない！』
ﾋﾋﾞ「顔も声も性格も全て、僕に似てるだろ」
『それは、』
ﾋﾋﾞ「Aに会えるのずっと楽しみにしてたんだよ！本物はやっぱり別格だなぁ」
ヒビキは私の髪を撫でようと手を伸ばしてきた
ﾄﾞﾗ「おい、触るな」
『ドラコ、』
ﾋﾋﾞ「……怖いなぁ君は、笑」
ﾄﾞﾗ「お前が何者か知らないが、Aは僕の彼女だ！むやみに触るな！」
ﾋﾋﾞ「彼女？じゃあ君は、Aの彼氏なの？」
ﾄﾞﾗ「そうだ」
ﾋﾋﾞ「へぇ、じゃあAの事何でも知ってるはずだよね、マルフォイ」
ﾄﾞﾗ「僕の名前知ってるみたいだな」
ﾋﾋﾞ「Aが昔どんな風に僕に甘えてたとか、色んなことを君に教えてあげるよ」
ﾄﾞﾗ「そんなのいらない」
ﾋﾋﾞ「マルフォイさ、体が大きいから大変じゃない？Aの相手するの」
ﾄﾞﾗ「どういう意味だ」
ﾋﾋﾞ「……ほら、恋人同士がする愛の育みだよ」
ドラコは何を言っているのかさっぱり分かっていないみたいだった
『そんな事ヒビキには関係ないでしょ』
ﾋﾋﾞ「僕はAの弱いとこ全部知ってるよ？それでもまだ僕を選んでくれないの？」
『ふざけないで、私は今ドラコの彼女なの』
ﾋﾋﾞ「ふーん、まぁ、僕がここにいる間に取られないように頑張ってね」
ヒビキはドラコの肩を叩き、どこかへ行ってしまった。私は体の力が抜けてその場に座り込んでしまった
ﾊｰ「A！大丈夫、？」
『うん、腰抜けちゃっただけ、』
ﾛﾝ「何だったんだ、あいつ」
ﾊﾘ「A、あの人どうするの？」
『どうするって言われても、まだ受け入れられてないよ、』
ﾊｰ「Aがこの世界に来た時から、彼はあなたの記憶があったのかしら、」
ﾛﾝ「急にAとの記憶が頭に入ってくるなんて変だよ、ヒビキは本当に人間？」
ﾊｰ「前世の記憶を持ったまま産まれてくる人はいるって聞くけど、Aは住んでた世界が違うのに」
『うん、本当にあの人の言ってる事が私の元彼との思い出なのか分からないもんね、』
座り込んでる私を背に、ドラコはスタスタと寮へ帰って行ってしまった
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作者名：ｷｸﾗｹﾞ | 作成日時：2022年1月15日 5時
