ただ、誰かを守りたかった【Fate】【僕のヒーローアカデミア】 (ページ7)

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漆ページ7

狭い地下通路をサンダルのまま通って行く。高さはままあるが、すれ違うことは不可能だ。いや、上から行けばその限りではないのだが。

(……いつから、あんな仕掛けが？)

それなりに遊び場所にはしていたのだ。にもかかわらず、この空間を見つけられなかった。
座り込んだ場所だって、今回初めて座ったわけじゃない。いくつかの私物を置くぐらいには頻繁に利用していた。

(……条件を満たしていなかった？)

魔術を行使したのは初めてじゃない。ならそれが条件ではないか。
魔術師に会ったことはないし、一般人(魔術師ではないという意味で)の家なんだから、そんなものが条件になるとは思えないけれど。

オーパーツは今のところ見ていないから、メイガスからウィザードに変わったということではないだろう。まあ異世界なのだからもとより魔術がないとかでも驚きはしないが。

ああもう、面倒くさい。幹どころか土壌まで違うのだ。常識と世界の認識の違いをすり合わせるのは不可欠だが、前提条件がそろっていないと本当にやりづらい。

なぜだか魔力の感知ができなくなってるし。魔術師に会ったことはないと言ったけど、これじゃ出会ってても気づけないじゃないか。

(――――と、)

つらつらと考えていると、行き止まりにぶち当たった。軽くノックをするように拳を打ち付ければ、向こうには空洞がある。……ふうん。

さて、どうしようか。
壊すか、消すか。引き返すという選択肢はない。