ただ、誰かを守りたかった【Fate】【僕のヒーローアカデミア】 (ページ26)

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弐拾陸ページ26

個性把握テストについて、個人的に思うところはない。
ただ、ある一人の”個性”については疑問を持った。

緑谷出久。おそらくはオールマイトのような増強系の“個性”であると予測するが、それにしてはピーキーすぎる。

ソフトボール投げまでパッとしない成績で、一回目のソフトボール投げでは先生に”個性”を消された。挙句の果てには布のような何かで縛り上げられ、何事かを言われる。
また(・・)動けなくなって誰かに救けてもらうつもりだったか？というセリフから察するに、入試で使用して大怪我でもしたのだろうか。

他の人には、聞こえていないようだった。
除籍宣告だろ、と爆豪さんが真面目そうな男子生徒に言っている。──飯田天哉、と名乗っていたか。

そして、皆が見守る二回目のボール投げ。その結果を誰が予想しただろうか。
勢い良くとんだそれは705.3m。爆豪さんより0.1m多く飛んだのだ。──代償として、右手の人差し指がボロボロになってしまったが。

スマッシュ、と言っていた。オールマイトのファンだろうか。

変色しているが、骨折で済むのだろうか。身体的に問題がなくとも痛みで動けないなんてよくあることだが。酷い痛みが走っていると思うのだがなあ。

そんな考えを余所に、テストは進んでいく。緑谷さんは最後の持久走なんて酷いものだった。やはり痛みがひどいのだろう。
全ての種目が終わり、結果が発表される。祈るもの、不安そうなもの、自信ありげなもの、様々だ。

「ちなみに除籍はウソな」

そしてホログラムで現れたそれが、先生の言葉とともに一度消える。

「君らの最大限を引き出す、合理的虚偽」

ハッと笑う先生に、目に見えて驚く生徒が三人。

「あんなのウソに決まってるじゃない……ちょっと考えればわかりますわ……」

とは百さんの弁だが、どこで撤回したのかは不明だが少なくとも最初は本気だったと思うのだ。