ただ、誰かを守りたかった【Fate】【僕のヒーローアカデミア】 (ページ3)

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「本当に大丈夫かい？」

男性が、私に問うた。
両親の共通の友人であり、現在の私の後見人でもある人。
一家ぐるみで交流があったので、お互いによく知っている。欲にまみれた親族よりもよほど信頼できる人だ。

遺言でこの人を指名していた両親には感謝しかない。何かあったらお互いがそうなろうと言っていたらしいが、まさか履行されることになるとは思っていなかっただろう。

「はい。ちゃんと一日に一度は連絡をいれますし……それに、やっぱりここを離れたくありませんから」

何の話かというと、住居、住まいの話だ。親族は軒並み私を引き取ることに難色を示し、私もまた彼らと生活をする事は望まなかった。ならば一緒に住もうと提案してくれたのだが、それを私は断ったのだ。

これ以上世話になることは気が引けたし、私はここを離れたくなかった。一人でも、この広い家に住んでいたかった。

まあ相当なわがままを通した自覚はあるのだが、こればかりは譲れなかった。
彼らは気にしないだろうし、むしろ喜んで受け入れるだろうと己惚れるくらいには好かれている自信はあるが、それとこれとは話が別だ。

「そうか……。何かあったら、いや、何もなくても連絡してくれて構わないからね。百(・)だって喜ぶだろう。いつだって力になるから、遠慮なく頼ってほしい」

良い人なのだろうと思う。たかが友人の子に、ここまで親切にしてくれるなんて。

「……はい。ありがとうございます。改めて、これからよろしくお願いします。八百万さん」