ただ、誰かを守りたかった【Fate】【僕のヒーローアカデミア】 (ページ18)

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拾捌ページ18

外に出て、素早くストレッチを終わらせる。

着替えるときに伸ばしたが、座っていたせいで体が固まってしまっていた。
そとの空気が心地よい。

(どうするつもりだ、A)
(一先ずは私一人で。領王のお手を煩わせては私の実力とは言えませんので)
(生真面目なことだ)

クスリと笑う気配。それと同時に、『はい、スタート』というなんとも軽い始まりのアナウンス。
戸惑っている他の受験者を横目に、強化した足で走り出した。

……生真面目、かなあ？

・

・

・
あと二分ほどだろうか。
直線で襲ってくるロボットを破壊して、そんなことを考える。最後のアナウンスは残り四分のところだった。秒まで言うあたり適当なんじゃないかと思わなくもない。

もうそろそろ巨大ロボットが出てきてもおかしくないと、それらしきものがないか探す。建物に偽装された格納庫とかないだろうか。

仮想敵を破壊しながらあちらこちらを走り回る。けが人はせめて安全なところへ誘導し、高所の方が探しやすいだろうと建物の屋上を見る。飛んできた瓦礫は顕現させた盾で防いだ。

「よっ……と」

跳ねる。ほとんど重力を無視して、不自然に数メートルも飛翔する。
それを何度か繰り返し、あっという間に屋上に足を下ろした。

さて、巨大ロボットは……。

「──これはこれは」

とても建物に隠せる大きさではない。いったい全長はどれほどあるのだろう。
丁度稼働し始めたところのようで、街を破壊しながら中心部へ向かっている。

「……まあ、倒すよね」

残り時間はもうほとんどないだろうが、見過ごすには被害が大きすぎる。
避けて通るギミックとは言われたが……──

「──……本番で避けるわけにもいかんだろうさ」

呟き、腰に差した日本刀に手を触れた。