ただ、誰かを守りたかった【Fate】【僕のヒーローアカデミア】 (ページ16)

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拾陸ページ16

そうして、年月は過ぎ去っていった。

一人住人が増えたところで、心持ちも生活もそう変わらない。今までと同様に研鑽を積むだけだ。
……多少の面倒ごとは、あるにはあったが。

なお、そのちょっとしたごたごたの後、領王(ロード)──ヴラド三世──は「個性の一部」という扱いになった。一応は身分証もある。……それでいいのか超人社会。

「緊張はしていないようだな」

「領王(ロード)。ええ、油断も慢心もするつもりはありませんが、同じくらい合格する自信はありますから」

中学校の制服を着て、玄関に立つ。今日は高校受験の当日だ。
受けるのは雄英高校。倍率300を超える偏差値79の超名門である。

どうせ受けるなら最難関が良いだろう、と志望した。西の方の士傑高校は少し遠いのでナシ。並び立つなら近いところの方がいい。成績が良ければ返却不要の奨学金があるし。

「……うん。よし。それでは、参りましょうか」

忘れ物はない。鍵が掛かっていることを確認して歩き出した。人除けの魔術も仕掛けている。

さあ、出陣だ。