目指せ！華のモブ生活！【稲荷崎】

18話 ページ19

次にうったサーブもサービスエースをとれた。
クラスの子達「あと一点や！そのままもぎとったれ！1組ファイトー」
と応援が聞こえる。

大きく深呼吸をしてサーブを打つ。サーブは結構いいところにいったが、女バレの子にあげられてしまった。こちらにスパイクが来て、男子がボールをあげた。しかしボールは後衛の私の元へきた。高さは結構ある。無意識のうちにトスをあげる体制をとる。レフトに女バレの子がいるのを確認し、
「レフト！」
と言いながらボールをレフトにとばす。少し短いかもと思ったがちょうどいい場所だったようだ。女バレの子がしっかりとボールをきめる。
「勝った…やったーー(笑顔)」
チームメイト達も来て一緒に喜んだ。閉会式に向かうため美桜の方に向かう。美桜を探していると後ろから
治「神崎さんなら先に閉会式会場に行ったで。」
と声をかけられた。

「わっ！治くんか。そーなの？教えてくれてありがとう。」そう言ってまた歩き出そうとしたが

治「俺も角名が先に行ってもうたから1人やねん。一緒に行かん？」
と言われた。

「…え？私と！？」

治「そーや。俺と一緒は嫌なんか？｣

(捨てられた子犬みたいな顔を向けられたら断れないだろ…そんな顔しないで欲しい)

「いや、そんなことないよ。一緒に行こうか」
ニヤけそうになるのを必死に抑えながら歩き出す。

治「そういえばAさんのこと下の名前で呼んでもえーか？」

「あ、うん、いいよ！」
(やっとニヤけが収まったところに追撃をくらった…)

治「おおきに。てかAってバレーやってたん？」
「ｳｯ…。一応中学の時はバレー部だったよ。」

心臓が一瞬やられたがバレていないだろう…多分。

治「やっぱりそーなんか？ポジションはどこやったん？｣

「セッターだったよ。」

治「Aのトスで打ってみたいわ。今度あげてくれへん？｣

「いやいや！片割れ君にあげてもらいなよ！私のトスなんてあのトスに比べたらミジンコイカだよ！？」
思わず大きい声で言ってしまった。

治「いや、そんなことないやろ？さっきのトスよかっ
たと思うで。」

推しに褒められたことが嬉しいのと、自分のトスを見られていたのが少し恥ずかしくて顔に熱が集まってきた。少し下を向いて黙っていると
治「どーかしたんか？」
と宮治が顔を覗き込んできた。
しかしタイミングよく体育館へ到着したので

「な、なんでもない！ついたしいくね」

逃げるようにその場をさった。

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