【WT】気ままな彼女の自由な日常 (ページ24)

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試合開始直後。バッグワームで姿を消しているのは、鳩原・冬島・当真の3人だった。

真木「Aさん。バッグワーム、北西。」

『はいよ〜。』

当真「南で2人揃ってんのは二宮さんと辻ちゃんだな。」

『はいはい了解。私が浮いてるから狙いにくるかな？』

当真「そんな動きだな。犬飼がいねぇのが気になるけど。」

ちなみに太刀川隊は太刀川と出水が揃って、面白そうな方へと進行中である。

『ん〜、思ったより早く三つ巴になっちゃいそうだな。
隊長、少し離れて辻、取りに行きますね。』

冬島「了解。援護が必要な時はいつでも言ってね。真木ちゃん、よろしく。」

真木「了解。」

『当真、二宮さんの気を引いて。隊長、20秒後に辻の前にショートワープ、お願いします。』

当真「はいよ。」

真木「奇襲注意！1人バッグワームで消えてる！」

『スピード勝負ね、了解。隊長！10秒に短縮です！』

力の限り地面を蹴って辻へと近づく。おまけに二宮さんのハウンドも見えた。これは当真にかかっているぞ。
作戦どおり、狙撃で二宮さんの狙いを私に絞らせない。
辻の目の前にショートワープを成功させると、ガッチリと固まる辻。やっぱ女子苦手なんじゃん。

『そんなんで、戦場を生き残れますかっての。』

辻「ぁ」

なす術もなくベイルアウトする辻を見送って退却しよう。と思ったその時、

『！？』

5mの範囲に気配を感じた。やっぱり戦闘中だと感知が鈍るな。

『隊長、とりあえずショートワープお願いします。』

真木「東に15m。」

冬島「了解。」

さすが隊長。速くて正確な仕事助かる………

犬飼「アハハ、本当にこっち来たよ。
志之ちゃん、分かりやすいね。」

『────────は？』

犬飼「じゃあ1点、取り返させてもらうね。」

『旋空孤月！』

犬飼「うんうん、そうくると思った。」

…右腕1本、まぁ最低限かな。

『………次はないから。』

こんなに早くベイルアウトしたのは、久しぶりだ。

結局この試合は、太刀川隊と僅差で負けた。二宮隊には勝った。勝った！！

これが、私と宿敵(犬飼澄晴)とのファーストコンタクトだ。今思い出すだけでも腹立つ。

この後紆余曲折を経て、辻が私の弟子になるのはまた別のお話。