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ポロポロとなんて、そんなかわいいものじゃない。
がっつり泣いた。それはもう、迅さんが割と本気で引くくらいに。
迅「え、ほんとに大丈夫？」
『だいじょぶでず。』
迅「ならいいんだけど。それで、どうする？」
『え゛』
迅「ボーダー、入る？」
『ボーダー…。』
正直なところ、まだあまり理解はしていない。ただ、弟の安否を確かめるには1番の近道だってことは分かる。
『…せっかくのお誘いですが、入りません。』
迅「へぇ…。理由、聞かせてもらえる？」
『…まだ、私自身、心の整理ができていませんし、何より、こんな気持ちのままじゃ、市民のために だなんて考えられないです。絶対に周りに迷惑をかけてしまう。
…私は、まだ子供なので。』
迅「変なところで冷静だね。まぁいいや、ボーダーはいつでも君を待ってるよ。
そんじゃ、またね。おじょーさん。」
地に足つけたいっていうのもあったけど、私の心のけじめとして、中学卒業までは。
それまでに、たくさん勉強をしておこう。
『ボーダーなんて、そんな危険なところに入るって言ったら、みんななんて言うかな。』
諦めなくてもいいと分かって、心が軽くなった。澄み渡った空を見上げて、グンッと伸びをする。
『やるぞーー！』
また歌歩にも謝りに行かないと。心配かけちゃったし。
──────────
その後、当初の予定通り、とはいかず高校1年の終わりくらいの時にボーダーに入隊。王子隊への加入を済ませて現在に至るわけだ。
仲間にも恵まれ、今は仲間のために戦っている部分も大きくなった。
それでも、あの時迅さんに言われた言葉はずっと、胸の真ん中で私を励まし続けてくれている。
っと、こんなことを考えている場合じゃないみたい。
沢田「防衛任務に当たっている全隊員に通達。迅隊員の予知により近界民警戒。」
忍田「迅の予知によると、本部襲撃のため、周辺への被害はないとのことだが、念のため王子隊には西、生駒隊には南に配置。」
迅「あ、忍田さぁん。ヒメだけ本部の中にもらえる？出来るだけ中の防御を厚くするために、動ける中距離が欲しい。」
忍田「…いいだろう。姫坂隊員は本部へ。」
『了解！』
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作者名：通りすがりのいぬ | 作成日時：2022年5月19日 20時
