【WT】青春まったなし！！！ (ページ45)

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米屋「ヒメ〜、奈良坂から学校終わってもしばらく居てくれってさ〜。」

『奈良坂くんが？なんで。』

米屋「しらね。」

まぁとりあえず言われた通りにするか。米屋と三輪くんも奈良坂くんを待つみたいだし。
学校の課題でも終わらせようか。

三輪「陽介。…ヒメも居るのか。」

米屋「秀次も、ようやくヒメと仲良くなったよなぁ。まぁ半分くらい俺のせいだけど。」

『おつかれ〜。半分じゃないよ、全部米屋のせいだよ。』

米屋「お、奈良坂から連絡きたわ。もうすぐ着くって。

…ン？」

三輪「どうした。」

米屋「いや、なんでもない。秀次、俺らは先行くぞ。
ヒメは校門前で待ってて欲しいらしい。」

『？分かった。』

奈良坂くんのことがひとつもわからない。
まぁ、他校の人が校門前で待ってるのも気が悪いだろうし、早めに行って待っててあげるか。

机の上に出していた教材をカバンの中に入れ席を立つ。
外はもうオレンジ色に色付き始めている。

──────────

校門前には誰もいなくて、待たせてしまったわけじゃないことに少し安心した。
奈良坂くん、何の用だろう。

辻「あ、あの」

『？辻くん？』

辻「これ、バレンタインの、お、お返し…デス……。」

『え！あぁ！ありがとう！
そんな、気遣わなくてよかったのに。』

辻「いや、俺があげたかっただけ、だから…。」

顔を真っ赤にして頑張って会話してくれる辻くんに、何だか心がほっこりしてきた。

『…開けてもいい？』

辻「ド、ドウゾ…。」

『あ！これ欲しかったやつだ。なんで分かったの？』

辻「犬飼先輩から聞いて……、ご、ごめん、勝手に聞いちゃって…。」

『ううん、嬉しいよ。私の欲しいものちゃんと考えてくれてありがとう。大切に使うね。

こっちは、辻くんおすすめのシュークリーム？』

辻「う、うん、すごい美味しいから…。」

『ありがとう、辻くんのお墨付きなら絶対おいしいね。』

改めてお礼を伝えると、改めてボッと顔を赤くした辻くん。

辻「じ、じゃあまた今度…。」

奈良坂「渡せたか？」

辻「うん…。緊張した…。」

米屋「よかったじゃん、ちゃんと会話できて。」

辻「会話できてた？」

米屋「お〜、今までよりかは。」

『あ、よかったまだいた！そういえば辻くんの連絡先持ってなかった！
辻くんが良ければ教えてくれない？』

辻「は、ハイ！」

後ろの方でニヤニヤしている米屋には2人とも気づかず。一歩前進です。やったね辻ちゃん！