【WT】青春まったなし！！！ (ページ44)

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さて、ここで問題なのは、いつどのタイミングでどうやって渡すか、だ。
学校は違うし、誰かに渡してもらうのももってのほかだ。

犬飼による事前調査だと、今日王子隊は防衛任務もないため本部に来るかどうかもわからない。連絡先も知らない。

奈良坂「どうした、難しい顔して。」

辻「ひ、姫坂さんに、どうやって会うか考えてた…。」

奈良坂「姫坂さんに？急に積極的になるんだな。」

辻「ちがっ、ホワイトデーのお返しを渡したくて…。」

奈良坂「なんだ、今年は貰えたのか。」

辻「ほとんど犬飼先輩のおかげだけどね…。
渡したいんだけど、今日は王子隊任務も何もないらしくて。」

奈良坂「なるほど、じゃあ学校まで会いに行けばいいじゃないか。」

辻「エッ！？でもそこまでしたら気を遣わせてしまうんじゃないか…？」

奈良坂「でもタイミングがないんだろ？ないなら作らないと一生渡せないぞ。
頑張って選んだんだろ。」

辻「うん…。」

奈良坂「………よし。」

辻「？」

奈良坂「陽介には連絡しといた。しばらく学校に居るように言ってくれる。
俺も、せっかくなら三輪と陽介と一緒に本部向かうから着いていくよ。
1人だと心細いだろ。」

辻「ありがとう…。」

奈良坂「で、何を渡すんだ？」

辻「ハンドクリームと、シュークリーム。シュークリームは学校の帰りに買って帰るよ。
なんか意味とか調べてたらよく分からなくなってきて…。」

奈良坂「意味…、姫坂さんは気にしないだろ。」

奈良坂との会話で幾分かは紛れたが、まだお昼だというのに辻の心臓の鼓動は早いままだった。
がんばれ辻ちゃん。