【WT】青春まったなし！！！ (ページ41)

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喧嘩ページ41

王子隊結成間もない頃、王子隊の隊室が珍しく騒がしいと、王子の耳に噂が入ってきた。
誰だろうか。うちの隊員には騒がしくする人なんていないから、誰か客でも来ているのだろうか。

少しだけざわつく胸を落ち着かせようと、隊室に向かう足を速くする。

『─────だから、私が前に出るからカシオは私のフォローをしてって言ってるじゃん！』

樫尾「ヒメさんは射手じゃないですか！

攻撃手の俺が前に出るんで援護するのが一般的です！
蔵内先輩だってそう動いてるじゃないですか！

王子隊として、戦い方は揃えるべきです！」

『蔵内先輩と私の戦い方は違うの！それに、前に出るのはポジション関係ないでしょ！』

王子「これは一体…？」

蔵内「王子、見ての通りだよ。次のランク戦について話し合ってると思ったら、ヒートアップしてしまったみたいだ。」

意外にも樫尾と姫坂が口論をしていた。
普段から聡明で声を荒げることなんてない2人だったため、これには王子も驚いた様子だ。

当時は頑固だった姫坂はまだしも、入隊したてで少し萎縮していたように思う樫尾がここまで自分の意見を言うようになっていたなんて。

王子「喧嘩するほど仲がいいって言うしね。
ぼくの隊は見込んだ通り面白くなりそうだ。」

蔵内「それはそうだが、今はやめさせないと。」

蔵内の言う通り、姫坂は今にも樫尾に掴みかかりそうだった。

『ポジションじゃなくて、先輩に任せてって言ってるの！』

樫尾「それこそ関係ないです！」

王子「こらこら、2人とも。そろそろやめなさい。」

『でも！』
樫尾「でも！」

王子「ふふ、仲良しじゃないか。落ち着いて話し合おう。」

『私はずっと冷静です！カシオが頑固なんです！』

樫尾「なっ！」

どうやら姫坂は後輩で歳下である樫尾を前に出させたくないらしい。先輩ヅラしたい年頃なのか。
樫尾は樫尾で、最もオーソドックスな形をイメージしている。

この場合、少なからずの私情を挟んでいる姫坂が論破されてしまったことはまた別の話。