国見 あきらめました。【国見英】

４回 あきらめました。 ページ5

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国見 あきらめました。



金田一に塩キャラメル


奢ってもらうのを あきらめました。









「いらっしゃいませー！」







自動ドアが開き、


愛想のいい店員の声。



ジャージ姿のまま、


ぞろぞろと店内の中に入る。











「何 買うの？」


「マッキー先輩に教えて貰ったシュークリーム」


「金田一はらっきょだろ？」


「決めつけんな！ってか売ってねーわ！」








俺もシュークリーム、


ボソッと呟く。




二人してシュークリーム買うとか


どんだけ影響されてんだよ。











「そんな美味しい？」


「や、わかんないけど！
　あんなにマッキー先輩が力説するんだもん」


「買いたくなるよな！」











うんうん、と二人して頷きあう。



二人だけの世界ですか。


俺も仲間に入れろ、


勝手な空間作んな。









「俺も買う。
　あと金田一、塩キャラメル奢って」


「はぁ？なんでだよ」


「隣にいたから」









本当は


Aを独り占めしてたみたいで


ムカついたから、なんだけど。



ぶつぶつと文句を言いながらも


財布の中からお金を出す。



金田一 いいヤツ。







ありがたくお金を受け取ろうとしてたら


その手は遠ざけられた。











「勇ちゃんいいよ、ごめんね！私 出すから」


「いや、頼まれたの俺だし。
　Aが謝ることじゃないよ」







ははっ、と笑って


俺に塩キャラメル分のお金を渡した。





もう、金田一に奢ってもらうの


やめようと思う。














あきらめた理由


Aの金田一への好感度が上がるから。












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