国見 あきらめました。【国見英】

２回 あきらめました。 ページ3

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国見 あきらめました。



及川さんに“国見ちゃん”って呼び方


やめてもらうのを あきらめました。











「国見ちゃん！」


「なんですか？」


「Aちゃん 可愛いね！」








いつしか呼ばれるようになった


“国見ちゃん”呼び。



女じゃないのに、ちゃんって付けられるの


最初は気にくわなかったけど


気にするのめんどくさくなったから


止めさせるのを あきらめた。





廊下で会った及川さんの


A と言う言葉に


ピクリ、と肩が動く。











「千坂のどこが可愛いんですか、」


「んふふ、聞いてよーっ！」







なんか自分のことのように


楽しそうに話す及川さんを見て


早く教室に帰りたかった。




聞いてみれば


何もないところで躓くだとか、


素直すぎるだとか。





そんな可愛いとこ


全部 しってるっつーの。



何年 幼馴染みやってると思ってるんですか。


ろくにアイツのこと見てないんで。











「ねー！可愛いでしょ？」


「はいはい、そうですね」


「もー、感心薄いなぁ！」









感心 薄いに決まってる。


だって可愛いってことなんて










「昔っから知ってますから」








特に笑ったりもせず、


軽く頭を下げて


教室の中に帰って行った。






宣戦 布告、みたいな。












あきらめた理由


めんどくさくなったから。











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