【東リべ】ドラケンを好きな私と私を好きな半間くん【半間修二】

罰 ページ2

好きだった。


バイクに乗るとなびく一つに括られた三つ編みも



友達と馬鹿やって笑うあの顔も




時々見せる子供っぽさも



大好きだった。




可愛くなって振り向いて貰おうと努力をしたら



別の人が振り向いてしまった。



それが彼。




「よ〜、迎えに来たぜ〜♡」



片思いの人より細くて背が高く煙草を咥えてバイクに跨る彼。




半間修二くん


周りの生徒がチラチラ熱い視線を送っててもそれは無視。

ペタペタ、サンダルを鳴らして歩いてくる。


友達との会話を遮り俯いて知らない人の振りをして校門を潜ろうとすると長い足で帰路を妨げられる



「お、髪切ってんじゃん俺そっちの方が好み♡」



ドラケンにもまだ見せてないのに彼は足で行き先を遮ったまま体を曲げ顔を近付けてくる。


長かった髪を昨日ボブにした。



「Aちゃんの為にメット用意したんだぜ〜？」



煙草を捨てて足で火を消してからバイクに戻ると紫のヘルメットを見せてくる




見せ付けてきたヘルメットを有無を言わさず被らせてくる


『は、半間くん…今日は集会が』


「ンなもん無視して俺とツーリング行こうぜ？」



それは困る。


幼馴染との約束の集会をサボって敵対してるチームの彼とツーリングなんて



ナホヤに見られたらぶち怒られる。



『きょ、今日は無理…です』


集会に着いていけば会えるんだから



振られても尚好きなままの彼を見てられるんだから



「A」

彼に呼ばれた時のことを思い出すと


ヘルメットは少し大きくてズレてしまう。


顔を上げると子供みたいに不貞腐れた顔の半間くん。


「また振られたんだろ？もう俺にしとけっての」



泣き跡♡と目元を撫でてくる



コンシーラーで隠した赤みもよれて見え隠れしてしまってるんだ。



手から逃げるように視線を逸らして撫でられた目元に手を当てる




「ばはッ♡照れちゃってんの〜か〜わい♡」





「早く俺のもんにならね〜かな〜♡♡」



ご機嫌な彼は私を抱き上げて


友達に向かって


「借りてくわ〜」なんていい笑顔。



友達は恐怖の中にどこか熱視線を向けて頷く



「ちゃんと掴まってねェと落ちっからな？♡」


『へ？ちょ、半間く…きゃぁぁッ！』




ブォン、エンジンを吹かせた後あっという間に走り出すバイク




恐怖で彼に抱き着いてしまう




満足そうに笑いながら彼は更にスピードを上げた

罰→←罪

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