43*感情こんがら ページ44
.
「…」
「…今度は何があったの?
お前ら後ろに居ると思ったらはぐれたじゃん。」
月間バリボーを読む徹にくっついている。
あとで私も貸してもらお。
ぐりぐりと頭を擦り寄せるのは本ばかり見ているから、構ってアピール。
「はぐれてないもん。
後ろにはいたけど立ち止まってただけだもん。」
「もんもん言い過ぎー。
…雨霧のこと気にしてんの?」
「全然。
徹助けに来てくれたし。改めてだけどありがと。」
「どーいたしまして。」
いつもはおちゃらけてちゃらんぽらんだけど、怒ってるときとかは素が出やすいらしい。
素と言ってもどちらも徹に変わりはない。
「Aがバレー部と付き合わない理由、やっと知れた。
…国見ちゃんはそんな子じゃ無いよ。」
「〜っ…分かってる。
一緒にいたいし、くっついてたいの。」
貰ったペカチュウをギュッと抱きしめ、体育座り。
手も繋ぐし、抱きついたら抱き返してくれる、キスもする…
いま1番近くにいる人。
やる気の無さそうな目に見られるのも好き。
名前を呼んでくれる優しい声も好き。
何もせずに二人で居る時間も好き。
「散々バレー部と付き合わない言ってたのに今更言うの恥ずかしい…なんか緊張する…
自分が自分じゃないみたいなの、この頃…」
「付き合った人数多い癖に、まともに人を好きになった事無いのがここに来てアダになるとは。」
「…ほんとそれ…
国見ちゃんと居ると動悸とか息苦しくなる…
友達には病気か恋って言われたけど、病気だったらどうしよ…」
「いや…恋でしょ。」
徹が呆れてるのが分かる。
自分で自分がテンパっているのも分かる。
「告白したら?」
「なんでそんなにサラッと言うのさ!」
「…知ってる?
国見ちゃんって1年は勿論だけど、矢巾情報で2年生からも人気あるらしいよ。」
矢巾ちゃんは女子に声を掛けられたと喜んだのに、国見ちゃんの事を尋ねられる事が増えたらしい。
それをまっつんに愚痴り、国見ちゃんをこねくり回したり…
「3年はAの事知ってる奴多いから大丈夫だろうけど、うかうかしてると取られちゃうかも」
「…え、やだ…
で、でもでもAさん可愛いし、国見ちゃんも一緒に居てくれるし?大丈夫…!」
「俺だったら親切な先輩に声掛けられたらすぐ言っちゃうかも〜」
「もう!やだぁ…」
誰かがずっと自分を好きでいてくれる保証なんてない事に初めて気付いた。
…告げる決意をひとつ。
1054人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢ってすごい - めっちゃ話面白くて大好きです!続き読みたいんですがもし良ければパスワードって教えて頂けますか? (2021年2月25日 19時) (レス) id: 4e60d50856 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 八雲さん» コメントありがとうございます!国見ちゃん良いですよね!更新頑張りますね!良いお年を♪ (2019年12月31日 22時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
八雲 - この小説を読んで、国見ちゃんがすごく好きになりました。更新楽しみにしながら生きてます笑おーえんしてます! (2019年12月31日 21時) (レス) id: e27e1c0612 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 碧凪さん» コメントありがとうございます!更新頑張りますね! (2019年12月21日 20時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
碧凪 - 初コメ失礼。めっちゃおもしろいし、更新早いからすごい嬉しい、これからも頑張って、よろしく! (2019年12月21日 18時) (レス) id: 0fcfd6af6e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:モカ | 作成日時:2019年12月19日 21時