私の後輩マネが悪女モドキ(笑)をやめたら超お節介ストーカー系になって恋路がとんでもないことになってる

卒業のまにまに。 ページ26

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烏野が全国で優勝したと聞いたのは、年が明けて割とすぐだった。

その数日後にはもうセンター試験で、それもあっという間に過ぎ去って、2月になり、そして3月になった。



3月1日。

卒業式の終わった後、待ち構えていた新見には「ぞづぎょうﾞじなﾞいﾞでぐだざいﾞ」と泣かれ、「この期に及んでそれ言うか」と軽くデコピンを飛ばすと、新見は余計泣き出した。

そのまま私の腰辺りに巻き付くかのように引っ付いた新見と共に、元より呼ばれていた体育館へと顔を出した。


既に私以外の3年は集まっていて、1、2年生も全員集合だった。



「遅いよ峰口ちゃん！」



及川がそう言って近づいてくると、私の腕を取ろうとして、新見に「シャアッ」と威嚇されて手を引っ込めていた。

お前後輩に負けんなよ。女子だよ新見。



「と……とにかく！まず、俺達はこれで卒業だよ。選手として、後輩達に門出を祝ってもらったけど、最後の最後までずっと俺たちを支えてくれた峰口ちゃんには、やっぱり皆で言わないとね」


「……何を？」


「もちろん決まってる！……皆、せーの！」



及川のその掛け声で、全員が一斉に口を開いた。



「卒業おめでとうございます！」


「これからも塩キャラメルお願いします」


「峰口さんいなくなるの寂しいです」


「……来年は、きっと俺たちが全国行ってみせます、先輩」


「今までありがとな」


「口悪かった！」


「花とどっこいどっこいだった」


「お互い卒業おめでとな」


「おいこら待て"せーの"どこいった、言う意味あったのか。てか及川お前あとでツラ貸せ、何普通に悪口言ってんの聞こえてるからな。それと国見お前もふざけんなよ」



まともに卒業祝う気も何もねぇじゃん馬鹿なのこいつら。



「……なんてね。冗談だよ峰口ちゃん。確かに口はすごく悪かったけどさ、皆、今度こそ！せーの！」



嫌な予感しかしねぇよ馬鹿、と思った瞬間、全員がバッと頭を下げた。



「今まで！俺たちを支えてくれてありがとう、峰口ちゃん！」



それに続くようにして、3年が「ありがとう！」と叫び、さらにその後に続いて1、2年が「ありがとうございました！」と叫んだ。


……いや、いやいや、私ほんと、普通にマネしてただけだよ。



「……こっちこそありがとうだわ」



この3年間、いい夢見させてもらったよ。







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