検索窓
今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:29,411 hit

キセキとラノベ 299 ページ29

*








その後、思った通りに売店にいた紫原を連れ、氷室は陽泉の先輩らが待つ方へと歩いて行った。







一方、誠凛の控え室に戻ってきた黒子と棚倉を迎えたのは、勿論リコの怒号であった。



「あ・れ・だ・け!早く戻って来なさいと言ったのに!どうしていつもそうやって心配させるの!?今度と言う今度こそ私、胃に穴があくかと思ったわよ!?」


「……ごめんなさい」



彼女がこうも素直に謝る相手も数少ないのだが(大抵は彼女の口が達者過ぎて言い負かしてしまうから)、リコに対してだけは、本当に頭が上がらないようだった。



「…っ、もう良いわよ、どんなに遅くなっても心配かけても、Aちゃんは戻って来るもの。…でも、本当に…心配してるんだから、」


「…はい」


「今度こんな事があったら、もう話があるのが赤司君だろうとAちゃんの親族であろうと会わせないから、肝に銘じておきなさい」


「…う、………母は…」


「肝に銘じておきなさい?」


「………はい」



そうして、怒りの矛先は彼女から外れ、黒子に向かった。



「黒子くんも!いつもいつも連れ戻しますって出て行って、結局いつも通りじゃ意味無いのよ!」


「…すみません」


「謝罪も言い訳も要らないから!…次の試合で今回のこの分、取り返さなかったらレギュラーから外すから!覚悟してやりなさい!」


「えっ……はい…」



怒号が過ぎた後、リコは彼女に近づいて耳元に囁いた。



「…怒ってごめんね、確かに心配ではあるけど、自由にしてもいいと言っているのはこっちなのに…お母さんの事もあるのに部に入ってくれたAちゃんには、感謝してるの。だから…」



そこまで言ってから、少しためて。



「……今回の話を聞かせて(・・・・・・・・・)?」



その言葉に、ここに来て彼女はやっと笑みを浮かべた。



「はい、もちろんです。リコさん」







*

キセキとラノベ 300→←キセキとラノベ 298



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
101人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

西谷彩香(プロフ) - 如月レンさん» すいません、ふたりを危うく去らせる所でした← 氷室さんは前からフラグ立てていたので、こう言う結果になるだろうと思いこうなりました。頑張りますね!ありがとうございます! (2016年7月12日 19時) (レス) id: 237a91988d (このIDを非表示/違反報告)
如月レン - 西谷彩香さん» 氷室さんは、夢主に何の話をするのか、気になります。← 更新、頑張って下さい。 (2016年7月12日 18時) (レス) id: 84fcaaee34 (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - 叢桜牙さん» そうですね、棚倉は冷たいようで最近冷たくないですから私にもわかりません← ありがとうございます! (2016年6月19日 21時) (レス) id: 237a91988d (このIDを非表示/違反報告)
叢桜牙 - 最新話読みました。紫原と氷室にどう反応するのでしょうか。更新頑張ってください。 (2016年6月19日 21時) (レス) id: a6d00fee4e (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - 如月レンさん» 気づけばそうなってましたね。本来従兄弟なので、きっとそこまで悪くなかったのだろうという事でこうなりました。ありがとうございます! (2016年6月18日 14時) (レス) id: 237a91988d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:西谷彩香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/  
作成日時:2016年4月3日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。