Bad End 2 ページ48
.
月明かりが差し込む彼女の部屋にはリドルの姿があった
あれから時間があれば彼女の部屋にいて話しかけ笑いかける彼
夜もまた傍にいた
「リドル、そのままじゃ貴方が体を壊してしまうわよ」
久しぶりにリドルにかけた言葉
その言葉にリドルは驚きを隠せずにいた
彼女からの言葉の最初は叱責だと思っていたからだ
「…私、そこまで意地は悪くないわ」
「いや…そういう理由じゃ…心配してもらえるなんて思ってもいなかったから」
「言ってやりたいことは沢山あるわよ。それも今は言う元気がないだけ」
「そう、だね。…A、本当に僕は君に酷いことをしたと思ってる」
「やめて。あまり思い出したくないの」
「それでも君に一言、謝らせて欲しい。苦しめてごめん。守ってあげれなくてごめん」
リドルは頭を下げる
そんな彼に彼女は頭を上げるように言うと少し悲しそうな笑みを浮かべた
「いいの。貴方の心が監督生のところにあるのも知ってるつもり。貴方とは本当のお別れね」
「…ごめん」
「もう謝らないで。監督生がお待ちじゃないの?女性を待たせるなんて紳士としてダメよ。私、明日から復学しようと思ってるの。もう心配しないで、ありがとう。今から私たちは寮長と寮生ね」
「A、待って…!」
そう言うと彼女はリドルの静止を聞かず彼を半ば無理やり部屋から出した
そのままドアの前にへたり込む
「さよなら、」
.
.
「あ!もう大丈夫なんっスか?」
「ええ。ずーっと部屋にいてもつまらないもの」
「無理は禁物っスよ」
「分かってます」
どこか懐かしい会話をしながら教室に入る
するとラギーから手渡された、すりおろした林檎
約束したからと渡された林檎を授業が始まる前に食べる
あの時の優しい味だと彼女の心は少し暖かくなった
.
.
「私ね、リドルと本当にお別れしたの」
「なら俺と付き合えばいいでしょ」
「それは出来ないわ。私なんかじゃ、貴方に釣り合わない」
「そんな事、」
「そんな事ないって言ってくれるでしょう?でもね、貴方には幸せになって欲しいの。大切な人だから」
そう微笑む彼女はあまりにも綺麗だった
大好き、大切、ありがとう
普段言わないような言葉が並べられる
何かあったのかと聞くけれど、言いたい気分なのだとはぐらかされる
不思議な昼休みを終えたラギーは違和感を覚えた
.
356人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kumo(プロフ) - 七竈さん» コメントありがとうございます!そう言って頂いて、とっても嬉しいですˊᵕˋ♡これからも楽しんでいただけるよう頑張りますので、よろしくお願いします- ̗̀ ☺︎ ̖́- (2021年10月10日 7時) (レス) id: 5e86565bcf (このIDを非表示/違反報告)
七竈(プロフ) - コメントはしてないと思いますが過去にこの作品を読んだ者です。久しぶりにこの作品の題名を目にしたときに、あの作品だ!となるほど記憶に残るお話でした。感情移入してしまい普段本当に泣かないのに涙が。どの結末も大好きです。素敵な作品をありがとうございました! (2021年10月10日 0時) (レス) id: 5be5d4885d (このIDを非表示/違反報告)
kumo(プロフ) - りんご飴さん» ありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです(;_;)沢山の応援等ありがとうございました!またなにかご縁がありましたら作品をご覧頂けたらなと思います! (2020年9月10日 14時) (レス) id: 5e86565bcf (このIDを非表示/違反報告)
りんご飴(プロフ) - 完結までお疲れ様でした!とっても素敵な作品で更新されるたびわくわくしてました← 素敵な作品をありがとうございました…!! (2020年9月10日 10時) (レス) id: 7e022946cc (このIDを非表示/違反報告)
kumo(プロフ) - 萌葱さん» ありがとうございます!やっと完結することが出来ました(;_;)こちらこそ沢山の応援等ありがとうございました! (2020年9月10日 9時) (レス) id: 5e86565bcf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kumo | 作成日時:2020年5月30日 1時