Stupid love[フロイド] (ページ1)

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The beginning of everything ページ1

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全ての始まりは彼がNRCに入る約2年程前

何もすることがなかった彼は自室の窓から泳ぐ人魚の姿を見ていた

彼は何故かふと人間に恋をしてしまったお姫様の話を思い出したのだ

人間に恋をするなんて何て馬鹿なお姫様なんだろうと幼心に感じていた

人間に恋をしたって叶うわけが無いと

お姫様はその恋のために己の大切な声と引き換えに足を手に入れた

「ねぇ、ジェイド」

「どうかしましたか？フロイド」

「なんで人魚のお姫様は声を差し出してまで足を手に入れたのかな？普通に考えれば声出なかったら相手と意思疎通できないじゃん」

「おや、フロイドがその話に興味を示すなんて珍しい事もあるんですね」

彼の双子の兄弟であるジェイドは驚きながらも顎に手を添え、考える様子を見せる

少しの間、沈黙が流れ気分屋のフロイドは ”もういい”と言おうとした瞬間ジェイドは話し始めた

「自分の大切な何かを犠牲に払っても、その恋が大切だったのではないでしょうか？」

「……んー……やっぱ俺には分かんないや」

叶わない恋に何故そこまで出来るのか、やっぱりフロイドには理解なんて出来なかった

そんな彼を横目にジェイドは黙々と勉強を再開する

フロイドは家を出てフラフラと行先を決めず泳ぐことにした

上を見上げると太陽の光が差し込んでいる水面はキラキラと光る

いつもなら上がろうだなんて思わない彼は何故かこの日だけは上にあがりたくてウズウズが止まらなかった

勢い良く上まで泳ぎザバっと顔を出すと太陽に照らされ眩しさで目を閉じる

時期に慣れ、日向ぼっこをしようと人気のない陸へ上がることにした

さぁ、少しだけ日向ぼっこだと陸にあがり転がると何処からか啜り泣く声が聞こえる

気分屋な彼は最初は放っておこうとしたが気になって声をかけることにした

「誰かいんのー？」

声をかけてみると、先程の鳴き声がピタリと聞こえなくなる

まさか空耳だったのかと思っていると人が動くような物音が聞こえ、もう一度声をかけた

「いるなら出てこればいいじゃん」

そう言うと岩の影から姿を現した人間

やっぱり人間かと面倒くさくなるはずだった

「何？別になんにもして来ない限りは締めたりしないよ」

そう言うと、その人間の女は恐る恐る出てくるとフロイドの横にちょこんと座った

「…貴方、人魚なのね。私、初めて」

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