声優界最強姉弟4【江口拓也】

・ ページ40

江口 side





「…明日、泊まりに行ってもいい？」




酔ってるのか、いつもよりふわふわした声で喋っているから、何を考えてるか分からない。




…これは、お誘いと取っていいのか？？




さっきから随分と理性を崩してくるようなことを言ってくる。




喋り方からしても、今一緒にいたら危ないだろうな、としか思わない。




江口「…いいけど…明後日仕事じゃないの？」




「うん、朝早く起きて出るから問題ない」




江口「…そっか、そうだよね…」




緊張のあまり、分かりきったことを聞いてしまい、何を聞いてんだ、と自分に殴りを入れる。




「…話してたら、会いたくなったから」




合鍵も持ってるし、と嬉しそうに笑う声が聞こえる。




江口「……(人1)って酔ったら記憶なくなる人？」




「無くなるけど、今はそんなに酔ってないよ」




江口「酔ってるよ」




「…大丈夫、ちゃんとこれは覚えてるから」




その言葉はいつもの(人1)のような、しっかりとした声に聞こえた。




江口「ずるいなあ…」




「え？なに？ごめん聞き取れなかった」




江口「…ううん、独り言」




日に日に(人1)の好きが増していって、どんどん重くなっている気がする。




叶ったら叶ったで、次の欲望がどんどん出てくる。




仕事中でも堂々とイチャイチャしたいし、お泊まりだって、スタジオの場所とか関係なくしたい。




もっと(人1)といたい。




今すぐ同棲を始めたい。




もっともっと、と(人1)を望んでしまって、こんなことを伝えたら(人1)は絶対に困る。




凄く優しいから、(人1)は多分全部受け止めてくれる。




でも、流すことが出来ない(人1)は丁寧に全部受け止めてしまう。




愛が重すぎるせいで(人1)を壊すようなことはしたくない。




「んふふ、明日楽しみ」




江口「俺も」




今はこんだけ可愛い(人1)が見れてるんだ。




踏ん張れ、俺の理性。

撮影終了→←連絡

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す