声優界最強姉弟4【江口拓也】

支度 ページ27

you side





江口「(人1)〜、出来た？」




「うん」




着替えて化粧をして、荷物をカバンの中に入れていく。




すると江口がこっちに来て、私の後ろに回る。




すると首元にいきなり冷たい感触。




あ、そっか、ネックレス。




江口「…うん、似合ってる」




「ありがとう」




まだ出るまで少し時間がある。




最終確認で鏡の前に立って、変なところがないかを確認する。




江口「いつもこんな感じ？」




「うん、大体」




あれ、私台本全部入れたっけ。




いつもより時間があるから変なところで不安になってしまい、またカバンの中を確認して、台本の数を数える。




するといきなり後ろから抱きついてくる江口。




江口「…(人1)の仕事終わりまでここ居ていい？」




「いいよ」




私はそう答えて、あ、と思い出す。




「…あ、そうだ」




江口「ん？」




私は江口の中から抜け出して、タンスからポーチを出す。




「江口」




江口「ん？」




「はい」




江口「え…」




私が出したのは私の家のスペアキー。




「必要でしょ」




結婚を考えている相手だ。




合鍵を今渡しても、遅くはないだろう。




江口「…大事にします」




「なくしちゃ駄目だよ、江口しか渡してないんだから」




江口「うん、わかった」




裕一郎も持ってない。




本当は私がなくした時のために取っておいたけど、真礼からの去年の誕生日プレゼントでキーケースを貰って、なくしそうなことが無くなった。




だからもう1つはなくさないようにポーチにしまっておいたのだ。




江口「後で俺の鍵も渡すね」




「うん、ありがとう」




時間を見ると、そろそろ出る時間。




「じゃあそろそろ行くね」




江口「うん、帰り何時？」




「8時くらいかな、ちょっと遅くなるかも」




江口「わかった、準備して待ってる」




玄関まで見送りしてくれて、私は靴を履く。




なんとなく寂しくて、今度は私から抱きつく。




江口「え、可愛すぎない？」




「……充電」




江口「……今日の夜はデートだからね」




「うん、頑張ってくる」




江口「うん」




最後に江口がするようにぎゅーっと強く抱きしめて、離れる。




「じゃあ、行ってきます」




江口「行ってらっしゃい」

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