追伸 ━━━━━。【獪岳】

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カス、と呼ばれた男の子。獪岳と知り合いなのかな。その男の子は大きな琥珀色の瞳をこれでもかと見開いた。









「え！？獪岳に女の子！？有り得ないんだけど嘘すぎじゃない！？誰か嘘だと言って！！」

「本当だよ〜」

「……うるせぇ」

「身も蓋もないね！！！」









カス、と呼ばれた男の子は我妻善逸くんと言うらしい。獪岳の弟弟子らしいけど、仲は険悪だ。









そして我妻くんはやけに私を口説いてくる。









「ねぇ、獪岳ってすぐ怒るでしょ。獪岳やめて俺にしない？俺なら鰻もあってあげるし、好きな物なーんでも買ってあげる！」

「我妻くん、気持ちは嬉しい」









肯定と取ったのかぱあっと顔が明るくなる彼。









「でもね、私獪岳以外好きになれないんだぁ」

「なんで？？」









純粋な瞳で私を見る。この子、獪岳と正反対だなぁ。









「獪岳に堕ちちゃったから。もう抜けられないの」

「俺の女は俺の事が大好きみてぇだからさっさと去れよカス」









獪岳が初めて自分から私の肩を抱いてくれた。「俺の女」だと称してくれた。









「何笑ってんだ」

「私は獪岳の女だよ」

「……知ってる」









私の肩を抱いていた腕が解かれる。その手を逃さないように捕まえて繋ぎ直す。









こんなゆったりとした日々が、これからも続くのだと思っていた。

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