追伸 ━━━━━。【獪岳】

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家に帰ってきた師範と、泣いていた私を心配してくださっていた恋柱様が話を聞いてくださった。









さっきの隊士たちの陰口も含めて。それを言ったら師範は怒り「あいつらよっぽど磔にされたいようだな」と青筋を浮かべていた。









私のために怒ってくれる師範がすごく頼もしかった。恋柱様は正座していた膝の上に置いた私の手を握って言った。









「あのね、Aちゃん。私が思うにその、獪岳くん？はAちゃんを想って突き放したんじゃないかなぁ」

「なんっ…で……そんなこと……」

「簡単な事だ。自分のせいでAが悪く言われるのが嫌で堪らなかったんだろう。俺がその男と同じ立場でもそうするだろうな」

「だからAちゃんは獪岳くんにきっと愛されてるわよ。自信もって！Aちゃんは素敵な人に巡り会えたのね」









なんて恋柱様が優しく笑ってくださるから、また泣いてしまった。今日一日で何回泣けばいいのだろう。









ホロホロと大粒の涙を隠すことなく流し始めた私に、恋柱様は慌てふためき、とりあえず私を抱き締めてくださった。









その光景を見て、普段はキレ散らかす師範がフッと目元を緩めてくれた。恋柱様、あなたのすぐ傍にもいますよ。私の師範の伊黒小芭内さんという素敵な人が。

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