何度も繰り返す恋を【我妻善逸】

8曲目 ページ8

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The、居酒屋ということばがピッタリの外観。引き戸になっている扉を開いて出迎えてくれたのは、顔に大きな傷のあるそっくりな2人の男の人と、大柄で銀髪の男の人。









「らっしゃいませ！ってなんだ善逸か」

「おい玄弥、なんだとはなんだ！」

「お前うるせぇんだよな」

「売上に貢献してあげてるんですけど」

「なんでもいいわァ、早く席座れェ」









知り合いが経営している、と言った通り店員さんとはかなり親しげな様子だった。たんぽぽの彼は我妻善逸と言うらしい。シンガーソングライターだけど、なかなか売れないからとりあえずカバーした歌を動画サイトにアップしたり路上ライブをしていると言っていた。









私はハイボール、善逸くんはビールを片手に持ち運ばれてくる絶品の料理に手を伸ばす。どれもくどくなくてお酒に合う味だ。おつまみ感覚で食べられる手頃な量も丁度いい。









この絶品料理は意外にも強面の不死川さんが作っているらしい。オーナーの宇髄さんはさっきから善逸くんと話している。玄弥くんはさっきから忙しなく厨房とカウンターを行き来している。









「んで？あれから手応えのある曲は作れたのか？」

「いえ全く」









きゅうりのたたきを口に運びながらケロリと答える善逸くん。あれから……ということは1度は手応えのある曲が作れたのだろうか。









「善逸くんってどんな曲作ってるの？」

「多分1度は聞いた事あると思うぜ」









善逸くんに聞いたはずなのに答えたのはなぜか誇らしげな宇髄さんだった。

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