何度も繰り返す恋を【我妻善逸】

4曲目 ページ4

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錆兎に若年性アルツハイマーの症状を詳しく説明した。彼は顔面蒼白になりながら聞いていた。









金曜日は錆兎が毎週うちに来る日だった。明日が休みなことをいいことに、足腰が立たなくなるまで抱かれることも多くあったけれど、シングルの狭いベッドの上、素肌で抱き合うことに多大な幸福を感じていたから、私は金曜日が大好きだったのだ。









病気でもそばに居てくれると、そういう意味も込めて今日も抱いてくれるんだと思っていた。不安を吹き飛ばすかのように私を乱してくれるんだと思っていた。けれど錆兎は私を抱かずに帰っていった。彼曰く「整理させて欲しい」と。









あれから錆兎から毎日欠かさず来ていた連絡が途絶えた。心の整理がついていないだけだと何度も自分に言い聞かせながら、私が錆兎の家に行く火曜日を待った。









火曜日の朝、ちょうど錆兎から連絡が来ていた。トークルームを開くと









"待たせてしまってすまない。今夜話をしよう"









と錆兎らしい簡潔な文章で書かれていた。久しぶりの彼からの連絡に舞い上がり、完全に有頂天だった。久しぶりに会えるからほんの少しだけ、オシャレをしていこう。そうだ、錆兎に夕飯を作ってあげよう。学校の帰りに買い物に寄らないと。何を作ったら喜んでくれるかな。

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