何度も繰り返す恋を【我妻善逸】

20曲目* ページ20

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あれから脳波やMRIなどいろいろな検査をして、異常は特に見られなかったとのこと。病気も目視できるほどは悪くなっていないだろうと言われた。









帰りの電車の善逸くんは人が変わったように静かだった。ずっと虚ろな目をして窓の外を見るふりをして。私が不安になって名前を呼ぶと曖昧に笑って「なあに？」と答えてくれるのだが、どこか感じる違和感はどうしたって拭えなかった。









なんとなく気まずく感じて無言で家に入る。すっかり日は暮れて夕飯にちょうどいい時間だったから、ベッドの足元にカバンを置いて善逸くんの方に振り返った。









「ご飯何にする？出前でもっ………！？」









私の言葉は、善逸くんの唇によって塞がれて閉じ込められた。息をつく間もなく繰り返されるキス。舌が入ってくると段々力が抜けて、縺れ込むようにベッドに押し倒される。まるで狙ったかのように。









急なことに最初は戸惑い混乱したが、彼に応えるように首に腕を回す。善逸くんの手が服をたくし上げて下着のホックをプツンと外す。善逸くんはただ無心に行為に及んでいるようにも見えたが、目はしっかりと劣情を孕んでいる。むしろそれしか見えなくて。彼が"男"であることを再認識させた。









動く善逸くんに合わせて声が漏れる。









「んっ…錆兎っ………」









名前を呼んだ瞬間、善逸くんの動きが止まった。

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