何度も繰り返す恋を【我妻善逸】

14曲目* ページ14

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善逸くんとの行為は最初から最後まで優しかった。初めてでもないのに「痛くない？」「大丈夫？」といちいち私を気にする言葉を掛けてくれた。









善逸くんが私を見つめる。その琥珀色の目の奥には愛情と劣情が綯い交ぜになっているのが見えた。既視感がある。









「善逸くんッ……ギュッてしてッ……」









浮かんだ彼の顔を取っ払うように、目の前の善逸くんでいっぱいいっぱいにしてもらう。錆兎の指は武骨で太かった。それに対して善逸くんの指は細いけど先が硬い。









錆兎は行為中ただただ一心不乱に私の名前を呼ぶ。けれど善逸くんは汗で張り付いた髪の毛を退かし、私の顔を愛おしげに見つめながら何度も愛の言葉を囁く。









善逸くんに抱かれていても、腕の中にいてもどうしても錆兎と比較してしまう私は最低最悪の悪女だ。忘れるために抱いてもらってるはずなのに。申し訳なくて涙が出る。









その涙を善逸くんの人差し指が拭った。優しい微笑を浮かべた善逸くんが私の目をしっかり見て言った。









「無理に忘れようとしなくていいよ、昨日の今日だもん」









気づけばとうに日付を跨いでいた。









「俺ならAちゃんに忘れられようと絶対Aちゃんを愛し続ける。この気持ちは何があっても変わらない。ねえ、俺と付き合って。今はまだ好きじゃなくていい。ゆっくり好きになってくれればいいから」

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