何度も繰り返す恋を【我妻善逸】

11曲目 ページ11

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「Aちゃん、ちょっと起きて？大丈夫？」

「う〜〜〜ん……」









善逸くんが何か言っているような気がするけど、完全にアルコールが回った脳は言語を認識してくれない。









「送ってくから家教えて？」

「もう無理立てない〜〜」









錆兎と居た時でさえここまで泥酔したことはなかった。ヤケ酒を21歳で経験するとは思わなかった。身体の力が入らない。









「家わかんねぇならド派手に連れ込め！」

「宇髄やめろォ、って言いてェが家知らねェならそれしかねぇなァ」

「不死川さんまで！？俺我慢出来る自身ないんだけど……」

「襲ったら俺まじでお前のこと幻滅するわ……」

「しねーよ！ジョークだわ！」









頭がふわふわしてて、ぬくぬくした微睡みの中に落ちていきそうになる。腕の中に顔を埋めていると肩を叩かれた。顔を上げるのは億劫だったけど、虚ろな瞳で叩かれた方を見る。琥珀が私を捉えた。









「歩けないでしょ、おぶるから背中乗って」









しゃがんだ善逸くんの背中に条件反射で乗る。温かい。錆兎と同じくらいの体温だ。だけどね錆兎より少し薄くて狭い肩。忘れようと決めたばかりなのに、錆兎のことだけは鮮明に思い出せる。忘れたい、忘れたくない。









忘れたい。









そんな想いが複雑に絡んで解けなくなって、善逸くんの肩口に顔を埋めた。

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