ぼくは溺れる 2

< あの日の告白 ページ14

「裕太のこと好きになっていい？」




熱にうなされて起きれば


裕太は疲れて寝ちゃってて、


かわいい寝顔が愛おしくて、


どうしようもなくて



寝てるから返事なんかないのわかってたけど


裕太にそう問いかければ


夢の中で



「うん、」



なんて答えるから



変な子みたいだけど、それだけで


居ても立ってもいられないくらい


嬉しくて泣きそうで



寝てる裕太にキスをした。



してから、風邪うつっちゃうかな


何してんだろ、気持ち悪いな自分…


って自己嫌悪




それがはじめてのキスなんだよー


なんて言う勇気はないから


きっとこの話は墓場まで持っていくけど



裕太「キスしていー？」


「え？？」


裕太「とかもう言わなくっていいのか」




裕太はわたしを振り向かせると


髪に優しく手を添えて



ゆっくりゆっくりキスをした。



わたしに触れる手も


唇も体も


かけてくれる言葉も


全部全部感じたことがないくらいの


優しいで溢れてる



裕太「ほんとに、好き、」



余裕がなさそうに顔を少し赤くするのが


わたしの心をくすぐる



「うん、知ってるよ」



「裕太の全身からスキー！って伝わってくる」


裕太「ふふふ、カッコ悪〜俺」


「カッコ悪いくらいがわたしは可愛くて好きだけどな」


裕太「Aにはかっこいいって言って欲しいの」



そう言って


ぐでーってわたしに抱きつく裕太は


やっぱりちょっと甘えてて


裕太の言うかっこ悪いなんだろうけど、



そんなところが


堪らなく好きなんだよ、って


今は教えてあげないでおこう。

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