かわいい願い事 ページ21
Aちゃんの部屋は
広くはないけど、
すごく綺麗に整頓されてて
余計な物は一切ない、ってくらい
置いてあるものもシンプルで、少なくて
今まで見てきた女の子の部屋とは
全然違う。
キッチンもすごく綺麗で
でも、自炊をしてるのはわかって
きちんとしてるんだな、と勝手に感心。
すぐに見つけられたスプーンを持って
寝室に戻れば
外からでも
Aちゃんの苦しそうな呼吸が聞こえてきて
時折咳き込んだりもしてて
早く治りますように、と祈った。
「はい、スプーンお待たせ」
A「ありがとう。じゃあいただきます」
「うん、どうぞ」
いつもはパクパク美味しそうに
何でも食べてるAちゃんが
ちっちゃく口開けて
ちょっとずつ食べる姿を見て、
やっぱりだいぶ弱ってるんだなぁ、って
俺は、その間に飲む分の薬を3錠用意して
ミネラルウォーターのペットボトルも出して
「ちょっと冷たいよ」
Aちゃんの前髪をすくって、
おでこに冷えピタを貼ってあげた。
A「気持ちい」
いつもよりへらへらーって笑うから
可愛いな、って気持ちと
早くいつもみたいに元気に笑ってね、って
気持ちで
「なら、よかった」
って頭をポンポンした
丁度Aちゃんもプリンを食べ終えて
空の容器とスプーンと交換に
手の上に薬を3粒のせる
「そんな嫌そうな顔しないのー」
A「うん、」
「お願いごと決めた？」
A「決めたよ」
「なーに？」
俺の方を向いて
手を伸ばしてきて
ん？て首を傾げると
「手ちょーだい」って言うから
Aちゃんの手に手を置けば、
やさしい力で ぎゅ、てされて
A「裕太くんにAって呼んでほしい。Aちゃんじゃなくて、Aがいいの」
いつでも余裕があって
余裕のない俺を
ふふふ、なんて笑ってるAちゃんが
照れたみたいにそんなこと言うから
「俺もAに裕太って呼んでほしい」
なんて大胆に言ってみると
チラッとこっちを見て、こくん、て頷いて
A「裕太」
俺の手を少し強く握ってくれた。
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くまこ(プロフ) - akubiさん» 嬉しいです！本当にありそうなリアリティあるお話を目指して、これからも更新していこうと思うので是非遊びにきてください^_^ (2019年12月6日 21時) (
レス) id: 9b703cb6ff (このIDを非表示/違反報告)
akubi - 本当に起きてるみたいで、読んでいてドキドキします！更新頑張ってください！楽しみにしてます。 (2019年12月6日 21時) (レス) id: d1c5f81421 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くまこ | 作成日時：2019年12月3日 18時
