ぼくは溺れる

お薬 ページ20

「薬はもう飲んだ？」


A「あー、う、ん？」


「ん？どっち？」


A「んーと、…薬、ちょっと苦手で、」



気まずそーうに


布団に顔を隠して目だけ出して


許して、って目線を送ってくるけど



「それはそういう可愛いことしてもダメ。絶対飲ませるから」


A「……ほんとに嫌いで、だって苦いし、」


「薬これでしょ？粉じゃないから苦くない」


A「…ごっくん、ってできない」



ごっくんて…


もー！めちゃくちゃかわいいけどー！



「早く治さなきゃ仕事戻れないよ？」


A「…うん」


「予約のお客さんとかいないの？」


A「いる、ごめんなさい」


「Aちゃんのこと待ってるよ」


A「うん、でも、」


「じゃあ…
飲んだらなんでも1個お願い聞いてあげる！
欲しいものでもやって欲しいことでも、俺できることならなんでもいいよ。
だから、お願いだから飲もう？
早く治してくんないと、元気なAちゃんに会えなくて俺も悲しいんだけど」


A「うん……わかった、」


「よし！じゃあ、薬飲むためにまずはなんか食べなきゃだね。お粥とか食べれる？ゼリーとかプリンも買ってきたけど」


A「プリンが食べたい」


「ふふ、わかった。スプーン取ってくるよ？」


A「ありがとう。キッチンの洗い物乾かしてるとこにあるはず」


「りょーかい」

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